♪8
『今日の大阪の天気は―』
小気味よいサウンドと共に、自動音声の天気予報が流れてくる。窓はバタバタとけたたましいリズムを奏でていて、車が通る音も聞こえない。
大阪は今日梅雨入りしたようだが、俺はとっくに梅雨に入っている。というか、『大阪、遅れてんな(笑)』のレベル。ここ1週間はずっと雨だし、ここ2ヶ月は青空も見ていない。
「はあぁぁぁ…」
と大きくため息を1つ。今のでいくつ幸せが逃げていっただろうか。あぁ、もう幸せなんかないか。
俺は枕に頭を押し付ける。むぐぅぅって息を吐いて、そして止める。ぷはぁって頭を上げたら、頭が真っ白になっていた。
「おうか…」
未だに喪失感は消えない。そうそう消えるものではないが、ここまで広がっていくとは思いもしなかった。
コップの縁を撫でて、コツンと倒す。そしてまた起こす。何が楽しいんだか。
さてと、ここで1曲。
『あたし、少し、傷ついただけ
喪失感に囚われて
だけど、あんたに、伝わらないように
そっと猫の仮面をつけた
あたし、少し、傷ついただけ
あんたの言葉に撃たれて
だけど、君に、分からないように
そっと猫の仮面をつけた
あたし、少し、傷ついただけ
綺麗な言葉にやられて
だけど、あんたに、気づかれないように
そっと猫の仮面を被った
大事なことも 伝えられないまま
こんな大人になっちゃったけど
忘れたくないこと 消し去ってしまったら
きっとあたしは猫なんだって
ニャンニャンニャンって繕って
あたし、あんたの隣に居たかった
ワンチャンあるって思って
あたし、油断してたらこうなった ニャン♡
あたし、少し、傷ついただけ
あんたの目線に気づいて
嬉しくなって、見えないように
そっとガッツポーズをしてた
あたし、少し、傷ついただけ
甘い言葉にやられて
だけど、あんたなら、別にいいからさ
そっとそのまま身を委ねた
結局何も 伝わらないまま
こんな大きくなっちゃったけど
このままあんたを 離してしまったら
きっとあたしは鶏なんだって
ニャンニャンニャンって繕って
あたし、あんたの傍に居たかった
簡単なのは言葉だけ
あたし、俯瞰してたらこうなった ニャン♡
後悔ばっかの毎日だから
ちょっとぐらい赤入れるね だから
都合いいのばっかになるから
そこはちょっと許してよね
ニャンニャンニャンって繕って
あたし、あんたのこと見てたかった
ただ横顔だけでいい
あたし、ずっとその顔見てたかった
ニャンニャン猫を被って
大事な人とずっと居たかった
恋とか愛とかじゃなくて
あたし、居心地がいいの好きなんだ ニャン♡』
あっ、恥っず⁄(⁄ ⁄>⁄-⁄<⁄ ⁄)⁄
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