♪7
桜花が死んでから7日後。俺は思ったよりもいつも通りの自分に驚いていた。
「まさか、ここまでとはな―」
これに続くのは、「あいつが軽い存在だった」とか、「あいつの事をそこまで大切に思っていなかった」とかではない。ただ、「あいつは俺の中に生きている」。それだけ。
なんとなくカッコつけた言葉になっちゃったけど、それ以外の言い方を俺は知らない。
「もうちょっと喋りたかった」とかそんなことを思うときもある。そんなときはいつも歌詞が降ってきて、それを桜花に宛てて文字にする。そんな1週間だった。
これで桜花が辿り着くまで1/7かと思うと、結構長いのかなって思う。これは俺が勝手にやってること。桜花に言えば「そんなことより、学校行きなよ」なんて言われそうだけど、残念ながら、こっちの方が楽しいんだよな。
さてと、降ってきたことだし、今日も書くか。
『結局君は僕の中の僕を
ちょっとしか齧ってないんだろうし
折角君に教えてもらったことも
ちょっとしか覚えてないんだろうし
使いもんにならないこの頭
なかなか動かないこの体
周りを凍てさせるほどの言葉が
この身体に突き刺さる
深く深く 僕を壊してって
やがて塵になるでしょう
0.1428571429ぐらいの君は
1と0の僕のプログラムに虫を仕込んで
1/7ぐらいに小さなビックバンを起こし
僕の元を去っていった
僕は呼び止めなかった
結局僕は君の中の僕を
ちょっとしか分かってないんだろうし
だからって僕はその僕の像を
一切見ようと思わなかったし
何にも動かないこの頭
理想像だけの君の影
周りの視線なんか気にしないが
この身体に突き刺さる
赤く赤く それは染まっていって
やがて地に堕ちるでしょう
0.1428571429ぐらいの君は
0か100かより何故か50を求めていて
7/7くらいに大きく光り輝き
僕の元を去っていった
僕は呼び止めなかった
理想論なんて物足んない
優柔不断って言われてもいい
君のこと 君の影しか
目に映らなかったから
1でも0でもなくて たった1/2しか
嗚呼 残念な生き物だ
0.1428571429くらいの君は
顔を隠しながら僅かに涙を見せて
1/7の闇に消えてなくなって行くだけ
嗚呼届かなかったんだ
僕は手を伸ばさなかった』
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