♪32
「やっぱ無理か〜。」
今日も今日とて俺の部屋。俺から告げられた言葉に桜花は膝から崩れ落ちた。
「しょうがねぇだろ。玄関のドア握ったら手震えたんやから。」
俺はこの部屋から出ることはギリギリ大丈夫だ。トイレに行かなあかんし、飯も食わんとあかんから。でも、玄関となったら別。また、あの自己肯定欲と集団にいたい欲にまみれた世界の中に放り出されるのだから。
「まあ、私はどこにいるかより、誰といるかの方が大切だけど。」
「っ…」
またこんな思わせぶりなこと言う。いつもいつもそんなこと言っているから、俺を困らせるんだ。
「おい!それ、俺じゃなかったらどうなるか分かってんのか?」
「彪河だから言ってんの。私は『はいどうぞ』ってしてんのに、彪河がヘタレやから。」
そう言って、桜花は鞄をゴソゴソ。そして、今日の分のノートが出てきた。
「ありがとうございます!桜花様!」
「やめろ!その言い方!」
桜花からノートを受け取って、今日のページを開く。その間は、桜花は俺の本棚を漁っている。てか、この部屋に来すぎて全部2周はしてるやろ。
「なんか欲しいやつあったら持って帰ってええで。」
「んーん。ここで読むことに意味があるから。」
『おはようとまた明日
2つ繋げて今日も一日が生まれる
なんて結局のところどうなんだい?
クラクラってする衝動
見損なったよ他の誰かに流される
閉じこもったままの世界で
間違えた 笑い転げた
青春なんて言葉は遠いけど
君の手を 握り返したら
どこかに連れてってくれるような気がして
誰といるかが大切だから
君のことを選び続けるよ
I'll just follow you 君となら
どこにでも行ける気がして
明日までの宿題は
最初のページすら書き込まれていない
つまりやる気が無かったってこと
どうせ世の中0か1
真面目なんてほんのひと握りしかいない
じゃあ僕は溢れた人だね
諦めて 何かを捨てて
大人になってく僕たちは
傷つけて それを治せば
どこかに飛んで行けるような気がして
立ち止まるのに飽きてしまったから
君の影を探し続けるよ
I'll just follow you 君となら
なんでも見える気がして
突然降る夕立に心が曇ろうとも
君の足跡がかき消されないように
だいぶ離れちゃったしって諦めないから
その背中を間違えることはないから
間違いだらけのこの世界の中で
君と2人で笑い合えたら
I'll just follow you どんなときも
君の姿を夢に見る
笑わないでよmy lyric』
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