♪48
「明日、桜花ちゃんの四十九日やけど来るん?」
「さすがにキツいかも。家から手合わせとくわ。」
「そうね。私は行くから、留守はよろしくね。」
「りょーかい。」
リビングに降りると母ちゃんはもう起きていて、朝食を作っていた。父ちゃんはもう仕事に行ったらしく、その残骸が残っている。
「もう7週間なんやな。」
「そうよ。つい最近まで彪河が出てこんかったから、出欠確認が出来んかったのよ。桜花ちゃんのお母さんに言っとくね。」
「ごめん。」
「いいのよ。事情は知ってるんやから。」
桜花のお母さんには桜花が事情を話している。窓から顔を出して会話しているときも、たまに乱入してきたから面白かった。そういう意味では、俺が関われる桜花以外の唯一の他人かもしれない。
「また、お墓参りには行きますって言っといて。」
「わかったわ。」
母ちゃんはふふっと笑いながら、スマホを持って玄関の方へ行く。
朝食はトーストとベーコンエッグ、軽めのサラダとオレンジだった。
「やっぱ美味いな。」
『きっと許してはくれないよね
こんな優柔不断な僕を
「忘れたけりゃ忘れて」って
君に吐き捨てた一言
ちょっとぶつけたら
そこだけ凹みそうな
壊れそうな心の奥
何考えてるか
分からないから
少しつついてみたくなるんだ
まんまるに固まった甘酸っぱい思いは
後味だけを残して消えていった
余韻だけは立派なままで
温かい鼓動に意味を求めた
まんまるに固まった甘酸っぱい誓いは
剥いたら剥いた分小さくなった
君の存在を思い出させるような
オレンジの雨が降った
ずっと2人でいることを
当たり前に思っていた
「こっちでなんとか折り合いつけるから」
君に吐き捨てた一言
ちょっとぶつけたら
そこだけ凹みそうな
脆くなってしまった僕
自分のことも
分からないから
少しつついてみたくなるんだ
まんまるに固まった甘酸っぱい気持ちは
後味だけを残して消えていった
見せない弱さを知る度に
高鳴る鼓動に意味を求めた
まんまるに固まった甘酸っぱい時間は
剥いたら剥いた分小さくなった
君の花に出会えるような
オレンジの雨が降った
三角に固まった辛かった気持ちは
後味さえも残さず消えていった
桜の花びら散る度に
痛む心には慣れたから
まんまるに固まった甘酸っぱい思いは
後味だけを残して消えていった
君の横顔見る度に
高鳴る鼓動に意味を求めた
まんまるに固まった甘酸っぱい思いは
思い返せばいつからだったけ?
きっと自然に許せるように
オレンジの雨が降った』
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