ケセラキ　〜「弟の義子(でし)」との「座敷わらしべ長者譚(ヘヤリー・テイル)」〜

　田舎の山奥で自堕落に暮らすニート、『世城(せぎ) 一楽(たから)』。


　ある日、彼の前に現れたのは、弟の義子(ぎし)、『日明(たちもり) 樂羽(このは)』。


　二人の共通項。
　それは、「言葉」。
　

　言葉が『聴こえない』一楽。
　言葉が『話せない』樂羽。


　二人は、急速に惹かれ合い。
　一楽の(自称)元カノ『瀬良(せら) 仲音(なこと)』を始めとした、賑やかな面々に囲まれつつ。
　疑似親子、師弟の様な、不思議な関係で結ばれて行く。


　そんな彼らの前に訪れる、最大の試練。
　果たして二人は、打ち勝ち、乗り越えられるのか。


　これは、不器用な二人が織りなす。
　恩返し続きの、日常譚。