page.11「救いのヘヤリーと出向理由」
子供の頃から本を嗜み。
小学生になる頃には、感想文を書くでもないのに、読書に夢中になり。
将来の目標は、「作家っぽい人とお付き合いする
だからこそ。
作家の兄を持つ
と同時に。
色々とズレているのを承知で、「花嫁修業」もしていた。
家事万能となり、DIYの猛者となり、それらしい器量を身に着ける
いつか出逢うだろう本命を、逃さんとしていたのだ。
そんな背景から知らぬ間に培った、驚異的な解釈力。
そこに、同じくユニーク・スキルである、料理力。
この2つを合わせる
彼の声を、見事に取り戻してみせたのだ。
この際、
そう、
それで、先生が直るのなら、と。
「……
ここまで、してくれるんだよ」
けれど、まだ足りなかった。
彼の闇は、病みは、中々に深く、根強かった。
「俺……ニートだぞ?
一人じゃ
家族云々を除外しても。
君に施しを受けられる
今の俺に……そこまでの価値、
「……っ!!
あんたねぇ!!」
この期に及んで卑屈な
それより先に、
パチンッ!!
と、
「……
はっきり言って、日は浅い。
けれど。
その間に二人は、色んな
自分の料理を食べる
色々とバレて一際、恥ずかしい思いをさせられたり。
動画をお薦めしたり、
改めて家を案内して
たった1日の出来事でこそあれど。
二人だけでも、こんなにもイベントが起こった。
どれも、メイン級ではない、些細な内容かもしれない。
けど、自分達は、特別な間柄、家柄でもない。
この程度で気を許しても、決して軽はずみではない
「
早まて無許可で家を壊されたのに、少しも叱らないで、怒らないでいてくれて!
私を、『家族』だと認めてくれて!
苦手なのに、私の
気絶する
いつだて、真意も問い質さないまま、私に賛同、味方してくれてっ!!
こんなにも優しく、暖かく接してくれて!!
それなのに、『自分に価値が
そんな、悲しいだけの
自分の言葉を、彼の前で、正面から、届けられている。
きっと、彼がきちんと、
だからこそ、緊張も恐怖もせずにいられる。
理由が理由だけに、微妙な心境だが。
この際、
「あなたの価値は、あなたが決めるもの!!
それについては、異論は
私にとての、あなたの価値まで!!
私の
私でもないあなたが、自分だけで勝手に決めないでっ!!」
「
不測の事態に、戸惑う
彼の前に座り、その手を取り、そっと包み。
「……私が、治してみせます。
あなたの五感と、声と、食歴を。
そして、
あなたの、その、歪み
徹底的に、叩き直して差し上げます。
そして、1《い》ヶ月後。
お母さん達の結婚式に、意地でも参列して頂きます。
だて、あなたの他に、
その
そんな所だろうと、
正確には、最初から、そう確信し続けていた。
じゃないと、説明がつかないのだ。
彼女が出向して来た、その理由の。
この時代に、ここまで親孝行な娘が
相当、溺愛されていたんだろうな、と。
失礼に値するかもしれない
、ぼんやりと
「すーっ……」
不意に、深呼吸し、胸に手を当て、目を閉じる
そして。
「『ド』ーんなー、時ーでもー♪
『レ』いせん時にもー♪
『ミ』んな、いなくてもー♪
『フ』ァンでいたいのー♪
『ソ』ーっとそばにいる♪
『ラ』ーいねんも、先もー♪
『シ』たい、続けるー♪
さぁ、二人で、いましょー♪」
唐突に替え歌を披露し。
「今のが、あなたに捧げる歌。
私の、決意表明です。
あなたは、私の『先生』です。
あなたに教えを請うのも、この夏休み、滞在の目的です。
その
あなたを元気に、やる気にさせるべく、尽力します。
だから、どうか先生。
私を、弟子にしてください」
バラバラだったビルが修繕され。
凸凹な道路は塗装、整備され。
荒れ果てた荒野には、花々で彩られ。
それまでの
その談笑により、活気に満ちている。
てんで、どこも、孤独でも無音でもなくなった。
寂しさを、忘れられつつあった。
「……ああ」
久方振りに無意識に、心から笑い。
同時に、同じく何ヶ月
クシャッとグシャッとしながら、
「……ありがとう。
……こんな、俺で
……喜んで」
数分後。
精神的に不全となっていた、
案の
それでも、三人は。
血縁なんて一つも
楽しく、正しく、食事をした。
2日目には、他にもイベントが
演じる際には形から入り、ウィッグやコンタクトなどにより、コスプレ元と遜色ないレベルまで完全再現する彼女。
そんな
レイヤー魂に火が着いた結果、
帰って来たと思ったら、またしてもトラブルが発生。
慌てて
本人曰く、「それまで母に甘えていた手前、一人で床屋、美容院に行った経験が
最終的に、
そして、夜。
再び
本人曰く、「今まで母と一緒に寝ていたけど、ホームシックも相俟って眠れなくなった」との
迷った末に、一度寝たら梃子でも起きない
話し合いの末、翌朝から、「定期的に、家族の範囲内で、二人に甘えても
そして3日目。
案の
が、その途中でまたしても、イレギュラー発生。
他校生ではありながらも、
またしても、鶴の恩返し的な方法で、人目を避けつつDIY力を遺憾無く発揮。
「助かったのは
そんな姿を見て。
と同時に改めて、彼女が気になるのだった。
そうこうしてる間に、慌ただしく時は過ぎ。
気付けば、
万全を期す
そんな
一同のラスボスが、立ちはだかる。
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