page.6「家主とWガチ勢」
彼は今、木で即席した竿で
「どうぞ」
「あ、ありがとう、ございます……」
「敬語じゃなくて
「あー、そう?
じゃあ、遠慮
「はい」
最近、女子高生の間で、「キャンプ」がブームにでもなっているのだろうか。
そう思いつつ、彼女が渡して来た服を、
「ところで、君は?」
「
っても、義妹ですけど」
「義妹?」
「元は、幼馴染だったんです。
でも、数ヶ月前に、両親が蒸発して。 親戚に
「……
「はい。
この御恩は一生、忘れませんし。
一生賭けて、スマートにお返しする所存です」
「そっか。
君も、立派だね」
「普通ですよ」
「そこら辺は、話すと長くなるから割愛するとして。
ところで、
「『
その方が、スマートです」
「ありがと。
じゃあ、
君は、どうして、ここに?」
「『さん付け』ですか。
律儀と取るか、ヘタレと取るか。
審議ですね」
「今は、ひょんな
是非とも、前者でお願いします」
「前向きに検討します。
名前の由来は、『美しい』『牧野つ◯くし』。
また、『
「わー。
設定からコピペ、加筆修正したみたいな、説明
「現に、そうですし。
で、私が、ここに来た目的でしたっけ?
あの子を一人で野に放つのは、
「まぁ……。
……うん……」
全面的に同意する他
「ていうのは、建前で。
「俺?」
「はい。
僭越ながら、スマートに抜き打ちチェックをと」
「化けの皮、メッキ、剥がれたなぁ」
割と過激なガチ
そこら辺に関しては
「で?
結果は?」
「人格:『8』
見た目:『8』
声:『10』
モラル:『7』
好感度:『9』
貢献度:『0』
度量:『10』
財力:『5』
生活力:『2』
住居:『10』
将来性:『8』
アドリブ力:『0』
以上、『120点満点』で『77点』。
スマートさには欠けますが。
おめでとうございます。
今後、ますますの働き、成長に、期待します」
「わー、シビアー、ウルトラ通信簿みたーい、
存外しっかり見られていた上に、落第点スレスレらしい事実に、驚きを隠せない
祝福する気の
「それはそうと、
誠に勝手ではありますが。
あなたの作品、一読させて
「……18禁だけど?」
「ええ。
だから、叔父様が無断で、ネタ目的で、あなたの自室から拝借した分。
「
今度、シュウ
「是非とも、そうしてください。
あの人は私から、大切な物。
「いや、
冗談だよ、許したげてよぉ!!
これから君の父になる男だぞ!?」
「ちぇっ」
拳をブンブン振り回す
が、
そして、数秒後、もっと大変な事実。
恐ろしい通り越して
「……なぁ。
今までの反応からして、ある程度、君の趣味を把握した
もしかして、それ……」
「『
だよっ!!
ボクのバイブルッ!!」
「あぁぁぁぁぁ!!」
案の
ところで。
現在、しっかり者モードの
「控え目に言って、最高だった!!
例えば、『仮想現実でアバター越しに、好きな物しか感じられない』という世界観も!!
それをフルに活かした結果、1話で
でも、そうだよねっ!!
あれ、1話とは名ばかりで、最終話手前!!
互いの好きがズレ、
その
つまり、『イマジナリー』、『幽霊』みたいな、一方通行状態だもんねっ!!
しかもそれが、
くーっ!! エグい、エモいっ!!
ボク、こういうの、大好物っ!!
女の子がイチャイチャしてるの、酷い目に遭ってるの、大好きっ!!
リアル、特に
あと、カタルシス、ハッピーエンド前提での話だけどっ!!
あーでも、それはそれとして、ヒロインが屈辱的になっている
「あんた、いきなり、色々、どしたぁっ!?
てんで、スマートじゃねぇぞぉ!?
あと、やっぱ、そっちかぁ!!
ただ、読んでくれた上に、そこまで気に入ってくれるとか、作者冥利に尽きるわ、ありがとよぉ!!」
まさかの、Wガチ勢バレ。
しかも、かなりオープンな感じで。
それもその
先程から
キス以上の
どちらかというと、グラビティな作品なのである。
勢い良くツッコミ
一方、
「どうかした?
先生」
「あんたが、明け透け
あと、急冷
そういうのは、もっと、こう……アングラに嗜むのがマナーだろぉ!?」
「
スマートじゃない」
「あぁぁぁぁぁ!!
いつの間にか、平時でもタメ口になってるしやぁぁぁぁぁ!!」
「お嫌い?」
「継続でっ!!
そっちのが、接し易いっ!!」
「スマート。
よく
今ので、加点」
「知らぬ間に補習してたぁぁぁ!?」
這い
これまで何だかんだ、31年も生きて来た
今日は、今までで断トツで、女難続きだった。
「というか、先生。
そこまで、気にしなくても
だって、これ、『ロマンシス』だよ」
「ーーえ」
と同時に。
彼の心が、割と救われた記念日でも
「……もしかして先生、ご存知ない?
『あくまで親友の範囲内に収まった、姉妹みたいな関係、女性同士の究極の友情』。
それが、ロマンシス」
「……え、待って。
いや、マジで待って。
……
「うん」
「結構、一般的?」
「近年
「……えー……」
「先生、知らないで書いてたんだ。
てか、それも必然か。
これ執筆してた頃、ロマンシスなんて概念、
ごめん、先生。
前言撤回させて。
あと、
それ、『先生がスマートに時代を先取り、先読みしてた』って
しかも、設定も凝ってるし、話も面白いし、キャラも
「……」
失言を詫びつつ、
そんな彼女が、
「
「……え、私?」
「そうですっ!!
あなた
あなた様のお
あまつさえ、露見した際に過度なバッシングを受け、社会的に抹消される危険も
「ま、まぁ……。
……そう、言えなくも、ない……。
……かな?
……かも?」
「言えますっ!!
さぁ、
どうか、
「えー。
じゃあ、『
「命に替えてもっ!!」
「
スマート加点、付けとく。
あと、『万が一にも
「
そもそも俺には、
あなた
あくまでも、『万が一』の話ですがっ!!」
「この調子なら、杞憂そうだね。
安心したよ、先生。
先生が存外、紳士、単純、都合
他には、そうだなぁ。
ちょっと、スマートに肩叩き、お願い」
「イエス、マイ・ロードッ!!」
言われた通り、マッサージを開始する
満更でもないらしく、
「ところで、
もしかして俺達、
『
「平気。
あの子は、そんな嫉妬しいじゃない。
……多分」
「
俺とした
「
私の
後日、滅茶苦茶、怒られた。
ヤキモチにより、二人揃って、正座させられた。
それはそうと、
彼女の貫禄は、
ここまでの忠誠心を示され、軽く引きつつ。
これ
はっきり言って、一介の女子高生に
それも、別に転生者とかでもないのに。
などと、
「たぁちぃもぉりぃぃぃぃぃぃっ!!
つぅくぅしぃぃぃぃぃっ!!」
物凄い声量で、物凄い怒りを乗せ、物凄い土煙を上げながら、物凄い形相で。
到着して早々に、ドロップ・キックをお見舞いする
「
私、邪神ちゃんじゃないよ」
「
1匹残らず、駆逐してやるぅっ!!」
「話し通じない上に、
こりゃ、スマートに引くしか
じゃあね、先生。
なんちゃって元カノが怖いから、もう帰るよ。
また1ヶ月後に、叔父様
それまでに、もう少し、身嗜みと世間体と身辺掃除、スマートにしときなよ」
「誰が『社会のゴミ』じゃ、ドラ猫がぁっ!!」
「別に、お魚くわえてないし。
ちょっと、先生にスマートに残念属性加えただけだし。
被害妄想、引くわぁ」
「なっ……!?
……
「アデューですわ。
痛々しい、未練がましい、騒がしい、ブレブレおばさん」
「
答えを残さす、華麗に跳躍し、木に着地し。
軽い身のこなしで、木々の上をジャンプして行く
現代に生きる、くノ一の様相を呈していた。
「待てぇっ!!
話も決着も、まだ付いてないっ!!
一体、
覚えてらっしゃい、ガチ
当たらないのを承知で、そこら辺の小石を、適当に空に投げ仲音。
そのまま、泣き崩れる
悲哀と情けなさが、尋常ではない。
「あ、あのぉ……。
……
「うぅ〜……。
たからぁ……」
「あー……。
スイッチ、入っちゃったぁ?」
「はいったぁ……」
「そっかぁ。
確か今回は、子役とパワフル系だったっけ?
通りで、いつも以上に振り回されてる
憑依した直後なら、抜け切って
ほら、こっち。
おいでなすって、
「おいでするぅ〜……。
うぅ〜……」
すっかり幼児となる
「
「どっちかってーと、俺が取り残された側で。
帰宅して早々に投げ飛ばして俺を退場させたのも、
まぁ……この際、
あんまりグダグタしてるのも、男らしいくないし。
全部、俺の
置いて行かせて、投擲させて、一人にさせて、ごめんよ。
寂しくかったよね、辛かったよね?」
「
「そっかぁ。
じゃあ、次からは、控えよっかぁ。
俺も、ちょっとビビったしさぁ。
っても、あれをちょっとで済ませられる自分に、我ながら引くけど」
「
「今の、
ともしなくても、失言だからね?
ただでさえ
あと、
俺達
「分かってるもん……。
この場限りだもん……。
「そっかぁ。
「子供扱いすんな……。
ちゃんと女、彼女、婚約者扱いしろぉ……」
「だから、最初に別れを切り出した
いや、これも女々しいかぁ。
今の、
全部、俺が原因です」
「そんな
「最後、怖いよ?」
「それより、
……
「してないし、されてない。
「
「
今も、これからも、変わらない。
俺のは、
俺を独り占めして
俺、こういうのも、嫌いじゃないし。
色んな
一人ハーレムみたいで、面白いし、楽しいし。
なんて言ったら、またメン強認定されるかな?」
「うぅ〜……。
「あー、はいはい。
抱っこですねー、かしこまりー。
おー、
「
今だけだもん……。
あと5分したら、
「うどん作れるね」
「ドバホ……」
グズる
数分後。
宣言通り、
「で、
天丼。
「でぇすよねぇぇぇぇぇ!!
「だからこそ、洗濯するんじゃないっ!!
「ダイナミック!!
「
「じゃ、こういうの、我慢しよっかぁぁぁぁぁ!?」
「無理ぃぃぃぃぃっ!!」
「オチ
「水落ちは
「
素晴らしい着眼点、ウィット、ワード・センス!!
「ありがとう、
頭冷やして、帰って来てっ!!
ずっと……ずっと、待ってるからぁ!!」
「行って来まぁっす!!」
「行ってらっしゃーい!!
「されまーすっ!!」
再び、浅瀬に投擲させる
その後、シンクロする
色々と済んでから、何事も
この二人の摩訶不思議な関係を理解
当事者
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