album.1「樂羽」
single.1「ヘヤリーVS壁」
しかし、予定していた時刻より大分、早く。
彼の
お昼時と言うには、些か先走っていた。
かといって、彼の部屋に突撃するのも、非常識。
向こうが、
そもそも。
不法侵入で、通報されたら?
そこまで行かずとも、彼に拒否られたら?
その未来を想像し、ガクブルする
が、直ぐに思い直し。
そこで、
ならば、彼と自分との間に
丁度、GT◯みたいに。
となれば、いつも通り、やらせて
そんな
「〜♪」
ハミングしながら、4次元バッグのヨジーを漁る
取り出したるは、
凄い、充実のラインナップ、このフィット感、それに軽い。
と、そんな言葉と共に、智慧のプリキュ◯すら魅了したアイテム。
「たらららーたらー。
でんどーどりるー」
猫型ロボットの
続けてゴーグルを装着し、床に膝をつき、お辞儀をする。
「お初に仕留めに
お陰様で先日、16歳になりました。
これまで見守りくださり、ありがとうございます。
あなた様のお
それはそうと、なるべく
先生との距離を、少しでも縮めるべく。
これより、あなた様を、盛大に、木っ端微塵に、完膚無きまでに
壁相手とはいえ、礼儀作法を欠かす
余談だが。
そして、サンタクロースばりに、
「それでは早速ですが。
お聴きください。
……『ドレミの
胸に手を当て、目を閉じ。
「ド〜は『ド〜リル』、『ドうくつー』〜♪
レ〜、『レモネード』、ティ〜♪
ミ〜は『ミ〜ンチ』〜のミ〜♪
ファ〜は『暖かい』〜♪
ソ〜、『マイティ』、『チェ〜ンソ〜』♪
ラ〜、『ランプ』、『ライタ〜』♪
シーは、『
さぁ、う〜が〜ち〜ま〜しょ〜♪」
歌い終え、セルフ拍手をする
そのまま、次のプログラムに移行する。
「では、次に、寸劇。
タイトルは……『恋するカベさん、レーコさん』」
どんな
どうせなら、愉快にやりたい。
そんな
「や……止めてくれぇ……。
俺が一体、何をしたていうんだぁ……。
(野太い声)」
「か、カベさーん。
あー、なんてひどいー。
(作られた棒読み)」
「この俺と出会た
それが……お前の罪だぜ?
(貫禄
「く……!
……悪魔めぇ……!
(野太い声)」
「違うなぁ。
悪魔なんかじゃあ、ない。
俺は……悪魔王だ。
ほら……また、お前の大罪が増えたぞ。
地獄に滞在し、悔い改めろぉ。
(貫禄
「ぐぁー。
(野太い声)」
「きゃー。
カベさーん。
(作られた棒読み)」
「安心しろ、冷蔵庫。
また、
……地獄でなぁ。
(貫禄
「いーやー。
(作られた棒読み)」
「こうして、悪魔王により、離れ離れとなた壁、冷蔵庫。
果たして、二人の未来や
後半へー、続く。
(地声)」
寸劇を終え、再度セルフ拍手。
我ながら、会心の出来。
額に汗を掻きつつ、演技のみならず、立ち位置と髪型、表情まで変えた
余談だが。
数分後、冷蔵庫は
元々、製氷
こうして、儀式は無事、完了し。
「お注射ですよー。
ちょぉと、チクゥとしますねー」
作動したドリルを構え、いざ勝負。
ピョコピョコしたイメージとは不釣り合な
アグレッシブ、豪快に、一気にくり抜いて行く。
これも、日頃のDIY経験の賜物である。
「お〜れ〜の、はいっ、ド〜リ〜ル、はいっ♪
てんを〜、つ〜く〜、ドーリール♪
かーべ、のーち、こーのーはー♪」
続いて、肩に何度か当ててから、チェーンソーをスイッチ・オン。
ノリも首尾も
最早、ドリルは関係
マグロの解体染みたパフォーマンスを無観衆で披露しつつ。
とんだ大盤振る舞い。
同じ頃。
起床した
同じ「
下で物凄い
それも、
「いくわよー。
(裏声)」
チェーンソーを片付け。
同じく、鞄からポテトガンを出し。
壁に、ダメージを与えてる。
ダイナマイト……は、
であれば、物理あるのみ。
「お疲れ様でぇす。
ハンマー入りまぁす。
ヘイお待ち、よろこんで。
ちょわー」
にしても、パワフルな少女である。
一体、彼女のどこが「儚か弱いい」のか。
「お母さん直伝。
石破天◯、ペガサス流◯、狼牙風◯、紅蓮火◯、◯劇舞荒、激獣タイガ◯、星心大◯、赤龍
本家に忠実のポーズを取りつつ、気合を入れる
本来であれば投げ込みばりに叫びたいが、先生に気付かれるかもである。
よって、ブレイブも控え目にしている。
「位置についてー。
よーい……シュツドーン。
か〜ら〜の〜、スワリング、ぶちぬキーック」
ルーティーン、まるで意味
それはそうと。
クラウチング・スタートの構えを取り、ジャンピング・キックをお見舞する
夏祭りの屋台ばりに、無音かつ綺麗に、くり抜き。
こうして、開通した。
キッチンから脱衣場までのトンネルが開通した。
「……っ!?
お、おおおお風呂、丸見えっ……!?
てか、お家、勝手に壊しちゃた……!?」
最早、完全に事故現場。
手遅れにも
これ、あれだ!
ちょっと、エチィなタイプだ!
わー、
でも、ちょっとエモい!
あたふたする
が、
そのまま、カモフラージュする。
しかし、これでも許されないかもしれない。
となれば。
「
エプロンとバンダナを付け、髪を束ね。
手際
危うく本末転倒になる所だった。
が、完了し安心したのも束の間。
背後から、足音が届く。
「っ!!」
と思ったら、また登って行った。
胸を撫で下ろす間に、中身を取り出し、冷蔵庫をベランダに移動。
そのまま、同じく壊していき、
そこまでして、
「お邪魔しまーす……」
持参した特性スーツに着替え突入、侵入の準備万端。。
繰り返す
「おー……」
ヒンヤリして、中々どうして落ち着く。
全身を包まれている
「棺桶みたぁい」
彼女なりの、最大限の賛辞である。
「
と、再び足音と声。
これは、確定演出である。
あちらが体内の掃除をしている間に、慌てて抜けようとする
しかし、シンデレラ・フィットにより、簡単には脱出
忠実、正確に作り過ぎた。
初対面がこんな形というのは、
こうなった以上、背に腹は替えられない。
そう決めた
そのまま、キッチンに入って来た
そして、数時間後。
見事に、赤っ恥を掻くのだった。
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