page.3「ヘヤリーとバイクの王子様」
数分後。
危な
……したのは
内面も外面も整った異性どの急速スキンシップにより。
いや、ネタの鮮度。
神曲だけど、鮮度。
そして、『心臓がショート』って、
と、
「
俺、そろそろ行くよ。
「(ブンッ、ブンッ!!)」
「なら、
それと、
ポケットから取り出したメモを、
そこには、彼の
「
で、
俺も、なる早で駆け付けるから。
電話もメッセも、いつでも寄越して。
ミュートにしてるから、安眠妨害とかにもならないし。
んじゃ、またね」
「っ!!」
そんな彼の両手を、
別に、
ただ純粋に、単純に、感謝を述べたくて。
けど、その方法が、言葉が見付からない。
……いや。
やっぱり、違う。
と思う。
この感情は、この『好き』は。
母や、妹に向けているのとは、ニュアンスが異なる。
気がする。
だって、
昔から憧れて止まなかった、白馬の王子様の
強いて挙げるならば、乗っていたのが「白馬」ではなく「バイク」だったという点のみ。
だが、
バイクの王子様とて全然、
このドキドキの真偽、正体は
見切り発車で迷惑を掛け、自己嫌悪に陥る
彼女に、頭ポンポンした。
「『乗せて来てくれて、ありがとう』。 そう、伝えようと、してくれてる?」
「(……コクッ)」
「ありがとう。
でも別に、感謝して
今日だって、バイト代とか出てないし」
そう伝える
そんな健気な
「……ごめん。
「〜っ!!」
癖っ毛をビクッと逆立て、驚く
かと思えば、恥ずかしさがピークとなり、一気にヘナヘナと折れる。
「じゃあさ。
お礼ったら、恩着せがましいけど。
今度、俺とデー……お出掛けてしない?」
「……?」
「ほら。
だから、軽くご当地巡りでも
っても、今日みたいに、またバイク。
「〜っ!!」
パァァァァァッ……と表情が明るくなる
どうやら、願ったり叶ったりらしい。
素直なリアクションに、
「そうだなぁ……。
ここら辺だと、やっぱ、揚げたい焼きかなぁ。
チーズとか絶品だし、ポテトもサックサクでさぁ。
「(ブンブンッ、ブンブンッ!!)」
「それは
それに、今の時間は準備中なんだよね。
だから今度、
「(コクコクッ、コクコクッ!!)
(グーッ!!)」
予想以上に親しくなれて、
「じゃあ、そういう
明日は、家の手伝い、バイト入ってるけど。
直近だと、
「(コクッ、コクッ!)」
「決まり。
じゃあ、
詳しい内容や時間は、後で決めよっか。
他にもリクエストとか
なるべく組み込める
「(グーッ!)」
話が纏まり、すっかりワクワク顔になる
そんな彼女に再び、頭をポンポンし。
「そろそろ行くよ。
またね、
「(コクッ、コクッ)」
ヘルメットを被り直し、ハンドルを
が、いつまて経ってもエンジン音が聞こえず。
かと思えば、またバイクから降り。
顔を赤くし、目を泳がせながら。
「……ごめん。
やっぱ、前言撤回」
「(ビクッ!!
(ガクガク、ブルブルッ……!!)」
「いや、ごめん、そういうんじゃなくって!
今のは、俺が全面的に悪かった!」
予定をキャンセルされるのでは。
それだけの粗相をしてしまったのでは。
と、恐怖し、絶望しかける
ろうとして一旦、頭を冷やし。
落ち着いて、訂正する。
「……正直、こんなの、
二人が俺を、どう思ってくれてるかは、分からないけどさ。
その実、俺、全然、そんなんじゃないってーか……。
イケメンでも、スマートでもないってーか……。
身も蓋もない
でも……正直、ドタイプなんだ。
シュウ
君の
そしたら、ハイヤーに抜擢された。
期せずして、大義名分を手に入れちゃったからさ。
俺も……ちゃんとしなきゃ、言わなきゃって。
君みたいな子は、
だから……だから、さ」
「『お出掛け』でも、『
……どうか
……『デート』してください。
……『
……さん……」
肝心な所で、最後で外し。
先程の言葉が嘘ではないと、証明する
お
「……
「……え?」
「……『
……ううん……。
……『
……『
一言。
たった、一言。
けど、決して軽くない、大きな一歩。
脈有りと判明し、浮足立つ
が、みっともない自分を抑え。
はにかみながらも、答える。
「……ありがとう。
えと……。
こっ……『
グリスが差されていないかの
が、彼の気持ちが伝わり。
それも、無意識に。
「……
……私の、彼氏……?」
「……どうだろ。
分からない。
でも……だったら、
根拠とか、
「……私も……」
「ありがと。
だから、さ。
デートして、はっきりさせよう?」
「……うん……。
……デート、楽しみ……」
「……俺も」
まだ不慣れながらも、
数分後。
二人は一旦、解散した。
2日後にまた会えるのを、心待ちにして。
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