page.2「ピンぼけエルフの大冒険」
話は、少し遡る。
新幹線、電車を乗り継ぎ、
それも、両親同伴でもないのに。
「んーっ。
空気が、
それに、このアイスも。
田舎も、捨てたもんじゃないね。
スマートだね。
正に、この私が堪能する為に生まれ、存在している
「(コクッ、コクッ)」
「いや、ツッコんでよ。
恥ずかしいじゃん。
スマートじゃない」
訂正。
一人ではなかった。
しっかり者の妹、
といっても、妹が保護者というのも、奇っ怪だが。
「あの……。
こ、
……ありが、とう」
「
私も個人的に、興味が
姉さんの言う『先生』が、どんな人なのか。
やっぱり、『百聞は一見に
ただでさえ、私は日帰りだし。
長期滞在予定の、姉さんと違って」
「で……でも……」
「そ、れ、に」
その頭を、
「『
っていうけども。
こんな
次にいつ、こっちに来るのか知らないし。
お
私には、遠慮なんか、しちゃ
ちゃんと、
「が……頑張るっ……」
「真面目だなぁ。
そこまで深刻に捉えなくても平気だよ。
でも、ありがと。
嫌いじゃないよ。
姉さんの、そういう所」
そんな彼女を見て、
食べ終わった頃。
二人の前に、一台のバイクが止まった。
メット・オフし現れたのは、同い年
彼は、バイクから降り、ゆっくり二人に歩み寄る。
「初めまして。
俺は、
君達が、
俺、
「……被った……」
「
「な、
……です」
そのまま肩身を狭くする
気にはなったが、言われた通り、
「今日は、シュウ
ほら……タカ
女子高生が歩きってんじゃ、厳しいだろうから」
「へぇ。
今時、
恩に着ます」
「……」
「ん?
「いや、ごめん。
もっと、こう……取っ付き
「ありがとございます。
「
で、も一つ、ごめん。
乗せて行きたいのも山々だけど。
見ての通り、二人乗りなんだ。
で、察しの通り、俺は運転しなきゃだから。
最初に連れて行けるのは、一人だけで」
「そうですね。
だったら、姉さんを
見るからに料理したそうに、ウズウズしてるので。
私は、平気です」
「つ、
申し訳
そんな彼女に
「丁度、もう少し散策、散財したい所だったんだ。
それに、飽きたら、自力で登ってくよ。
その方が、スマートにも
「……悪い。
助かるよ、
「『
同じ名字が二人も
「分かった。
じゃあ、
「いっ……今の、
具体的には、『セカイ系のラスト』っぽいっ!!
ボク、そういうの、好きぃっ!!」
「……
「
ただの持病です。
どうか、お気になさらず」
「あ、ああ。
分かった。
それじゃあ、
いきなりで、ごめんだけど、
「(コクッ、コクッ)」
彼に渡された2つ目のヘルメットを受け取り、装着し。
早速、
……手をバイクに置いて。
「それじゃ
姉さんが落ちちゃう。
ほら。もっと、
こうだよ、こう」
突然の密着に、ドギマギする
空かさず、
「
男と女が、相乗りしようってんだよ?
これは
「デッ……!?」
「そうです。
じゃなきゃ、私達がセットで行くのを知った上で、
全然、スマートじゃない。
あの人、姉さんの彼氏作りにご執心だもんね。
今日だって、姉さんと先生を、あわよくば引っ付けようとしてたもん。
自分の結婚式そっちのけ、本末転倒で。
この前、この……この私のお母さんに怒られてたし。
っても、
私も、同意見だよ。
適当に合わせるから、オトすかオトされるかなさい。
これは、妹からの命令です。
「〜っ!!」
まただ。
いつもの、『ラブコメ脳』が、発動してしまった。
まだ出会ったばかりで、
しかし、そうする他
ここは
そう覚悟を決め。
「準備は、
話せない代わりに、
この方が、
ベンチに座り、クールにヒラヒラと手を振る
二人は一路、山の上に位置する
「ふーっ……」
二人をスマートな笑顔で見送ってから。
「お疲れ
大健闘だったわね、
不意に、後ろから掛けられる声。
それは、今までに一度、電話越しでだけ耳にしていた、同士から発せられた物。
そこに立っていたのは、思った通り。
「……
「あら?
悪いかしら?」
「……別に」
明らかにブスッとして、前へと態勢を戻す
「捨てられかけ女と、恋捨て女。
お互い、難儀ねぇ」
「……一緒にしないで。
私のは、
「
「
ちゃんと、ノーマルだし。
ガチもリアもリハも
てか、そっちは、まだ
愛しの先生は、
「どうかしらねぇ。
ひょっとしたら、
まぁ、そしたら
「……どこが、捨てられかけなんだか。
向こうが、『人生を捨てかけてる』って
「それも平気よ。
きちんと、算段はつけてるわ」
「
「人聞き悪いわねぇ。
メリットなら、あなたや彼女にだって
「隠蔽、誘導しつつ。
「……長くなりそうね。
場所、替えましょうか?」
「賛成。
この辺に、カラオケ
「案内するわ」
早々にバチバチする二人。
数分後。
二人の女性は、カラオケにて、熾烈な口喧嘩を開始するのだった。
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