第3話 気持ち悪いけど良いオジサン
少女は気持ち悪いオジサンの元に訪れた。
そしてその気持ち悪オジサンから何故君がここに来たのか詳しく教えられることとなった。
その内容を一言で言うならば、この気持ち悪いオジサンは君に暴力を振るうオジサンから金で一週間少女を好きにしていい時間を買ったと言うことだった。
いうなれば援助交際や売春と言われる行為だ。
ただ今回は本人の同意なく行っている為、強制売春と言えるだろう。
まぁ、そんな言葉はさておき、この気持ち悪いオジサンがやっている事は最低の行いであり、暴力を振るっている少女のオジサンも最低と言うことだ。
そしてそんな気持ち悪くて最低なオジサンは、買い上げた少女を家に連れ込むなりすぐに服を脱がさせた。
いったい何をするつもりなのか・・・そんなこと言わずともわかるだろう。
そう今から無垢な少女は
「でぇへへへへ、お湯加減はどうかな? 熱すぎたりしないかな?」
「は、はい・・・だい・・じょうぶ・・・です」
「でぇへへへへへ、それは良かったねぇ~」
特に何かされるわけではなく、ただ身綺麗にさせられていた。
ああ、勿論気持ち悪くて最低なオジサンは一緒になんて入っていないよ。
発育が悪いのか小学生に見えない子であっても、年齢が中学生の時点で異性と、それもこんな見知らぬオジサンと一緒にお風呂なんてイヤだろうから入る気なんてないよ。
「でぇへへへへ、タオルとお洋服おいておくからねぇ。ゆっくり入って温まってから出るんだよぉ。でぇへへへへへ」
気持ち悪い笑い声をあげながら、気持悪いオジサンは脱衣所に少女の衣服とタオルを置くと、出ていった。
「さてさてぇ、次は楽しい楽しいでぇナー(ディナー)の用意でもしようかねぇ。今日はいいのが手に入ったんだよねぇ。でぇへへへへへっ」
気持悪いオジサンはそう言いながら笑って脱衣所を出て行った。
その笑いがあまりにも気持ち悪くて、良いのが手に入ったと言う言葉はまるで今の自分を差しているように思えてしまい、少女は温かいお湯の中で身体を震わせていた。
気分は鬼のいるお家に来てしまった感じで、きっとお風呂を出たら食べられてしまうんだと少女は考えていた。
「でぇへへへへっ、オジサン特製栄養満点肥満セットの完成だぁ~。他にもオジサン特製お腹に優しいヘルシーセットも用意してあるから、好きなのたべなぁ~」
まぁそんな少女の考えなど起こる訳もなく。
びくびくとお風呂から上がると、そのまま気持ち悪いオジサンにリビングへと案内され、食事をする事となった。
両親を失う前の少女でも見たことがないほどに大量の料理が並べられていた。
二人で食べるにはあまりにも多く、絶対残ってしまうだろうと言えるほどに大量の料理が。
「さぁさぁ、おたべぇ~」
「あ・・あの・・・わた・・わたし」
「でへへ? 嫌いなのがあったかなぁ? ああ~! オムライスとかの方がよかったかなぁ? 子供はオムライスが好きでしょ~。オムライスが~。今作ってくるからねぇ」
「え・・あ・・・だいじょ・・・これで・・・いい・・・です」
「おおぉう? そうなのかい? ならお腹いっぱい食べようねぇ~」
「は・・はい・・・・・はむ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ひぐっ」
気持ち悪いオジサンと一緒に席に着き、隣同士で食べる。
ただそれだけ、ただ一緒に食事を食べるだけで気持ち悪いオジサンは何もしてこず、一緒に食事を食べるだけ。
ただそれだけなのに、ただそれだけの事なのに、少女にとってとても久しぶりの事で、少女にとってとてもとても久しぶりに温かい食事にありつけたことがあまりにも嬉しくて、涙を流してしまった。
「ひぐっ、ひっぐっ、うぅ」
一滴の涙を零すと止まらなくなる。
たった一滴の涙を零すだけで今まで辛かった想いが吐き出しそうになる。
あって間もない気持ち悪いオジサンがいるのに、そのオジサンの前で泣きそうになってしまう。
「泣くのを我慢せず吐き出しちゃいなねぇ。そして、ゆくっり、いっぱい、おたべなぁ。冷めてしまっても、暖かいのをまたいっぱい作ってやるからねぇ。でぇへへへへへへっ」
食卓の傍に、なぜか大量に重なっている手ぬぐいを一枚とると、それを少女に渡す。
極力少女に触れようとはせず、されど放置はしない。
声だけではあるが、その気持ち悪いオジサンは少女を気遣い、見守り続けていた。
そんな気持ち悪いオジサンの気遣いに気が付いているかわからないが、少女はその声に従うように涙を流しながら、食事をしていった。
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