第15話 ラブラブなんだよ 女子高生


「ゆ~く~ん!」


 ある休日日。

 彼女は愛すべき彼氏とデートをする為に出かけていた。


「ゆ~君。会いたかった~」

「ああ、俺もだよ。優愛」


 待ち合わせ場所で待っていたカッコいい男性に向かって、彼女は、いや優愛はダイブする勢いで抱き付く。

 ちなみに優愛がゆ~君と呼んでいる彼氏の本名は佐藤 裕也であり、優愛の本名は佐川 優愛である。

 なんとなく互いに似ている名前であった為意気投合した感じである。


「もぉ~、ゆ~ちゃんって呼んでよぉ」


 猫なで声を出しながら、擦り寄る優愛を優しく抱き留めながら、裕也は耳元に口を寄せ望む名を呼ぶ。

 それだけで元々緩み切っていた頬が更にだらしなく緩みきる。

 そんな優愛を見て裕也は優しく微笑んだ。


「ほら、こんなことしてちゃ時間が無くなるぞ。今日は店を見て回りたいんだろ?」

「うん! 今日は新しいアクセサリーが見たいの! えっとね、これとこれとこのお店も見に行きたいの!」

「なら早く行こうぜ。いいモノは誰かにとられかねないからな」


 そう言うと誠也は歩きだしたので、優愛は慌てて裕也の腕にしがみ付き仲良く店へと向かっていった。


 二人の仲はとても良く。

 その日は優愛が望むままにお買い物デートを楽しみながら、裕也が予約しておいた高級レストランで昼食をとり、終始二人はにこやかにデートをしていくのだった。


「あ~・・・なぁ、ゆ~ちゃん・・・・この前草津の温泉に行きたいとか言ってたよな。結構いい宿が取れたんだけど一緒に行かないか? 泊りになっちまうんだけど、それくらい遠くに行けば知り合いとかいないだろうし、恥ずかしくないだろ?」

「うぇ!? そ、それって・・・」

「まぁ・・・そう言うお誘いだ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・い、いや、冗談だ冗談。忘れてく「い、いく」え?」


 そしてデート終了時に、新たなデートのお誘いを受けるのだった。

 それも少女が大人の階段を上るようなお誘いを。


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