概要
BWと呼ばれる支配階級が排出するゴミはAWと呼ばれる埋め立て地へと流される。
BWで不要とされた人間もまた人権を剥奪された上でAWに送られていた。
BWで技術者として働いていたダンはAWに落とされアイシャと出会う。
アイシャはシックスセンスでシステムにもぐり込みデータを盗むことができる最凶ハッカーだった。
アイシャの能力でAWに迫る危機を回避しようと画策するダン。しかし物語は意外な結末を迎える。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!二極の世界は現実世界を映しているのか
「慣れ合うのは好きじゃない」と言っていたダンがタッグを組んだ最凶ハッカー・アイシャと繰り広げる壮大な物語。
これを1万字で描ける仁科さんには感服するしかない。
私もこんな物語を書いてみたい。
AWとBWという二極の世界
同じ星にあっても全く異なる世界、BWで生きることが幸せだと思いつつ
その裏側にあるAWからを切り離すことはできず、破壊することはできない。
ひとつの映画を観たような読後、
現実のこの世界をSF化するとこんな世界観になるのかなと思いました。
見えない(見ないようにしている?)世界のことを私は知っているのに、知らないふりをして生きているのかもしれない。
壮大かつ訴える何かに圧…続きを読む - ★★★ Excellent!!!どんどん作って、どんどん棄てる。 いずれモノだけでなく、人までも。
意外と自分のおしりをちゃんと拭けていない人って多いかもしれないな。
のっけから何を言ってるんだ! と思われるかもしれませんが、こちらはそういった不都合な真実を浮き彫りにしてくれる作品かもしれません。
見えなくなったが最後、棄てたものが今どんな姿か、どんな匂いか、どんな音を立てているか、想像して視ようとも思わない人のおしりには、まだ付いているかもしれません。
見えないもののことは、あまり深く考えていなさそうだから。
飲みきれなかったジュース、トイレの水、風呂の湯、洗濯水、工場排水、実験排水……それらが流れてゆく時、その水一滴一滴が、巡り巡っていずれ自分の口にも入るだろうその時までの水の…続きを読む - ★★★ Excellent!!!たった10000文字のSF長編
遠い未来、科学制御された理想の世界BWを造り上げた人類は、不要なものを廃棄する世界AWをつくり、そのエリアに廃棄物を流し込んだ。
あまった食料、いらなくなった機械、そして不要な人間。
だが、廃棄物ばかりのその世界でも、人間たちはたくましく生きていたのだ。
捨てられた食料を漁り、廃棄された機械を活用し、やがてはBWへのハッキングを開始して、ひそかに搾取を開始する打ち捨てられた人々。
だが、ある日、廃棄者の元技術者ダンは、BWが進めるある計画に気づく。そのコードネームは『聖者の行進』。その恐ろしい計画に気づいた彼は……。
裕福な理想郷と、それが排出するゴミが溜められる下…続きを読む