第18話 

「ヒィィィ」

 情けない悲鳴を上げてマーティンたち天界人がプチプチと踏み潰されていく。


「バグか? メインコンピューターで止めるんだ!」

 慌てふためく天界人たちを踏みつけながら、1万基のジャガーノートは隊列を組んでBWの街並に行路をとった。


「行くな、アイシャ!」

 天の門の入り口に立ちすくみながらダンが叫ぶ。


 ダンの声に呼応するように、先頭のジャガーノートが歌いだした。


「あれは……アメージンググレイス!!」


 アイシャの歌声はハーメルンの笛のように一糸乱れぬ隊列を率いて白磁の街を踏みしだく。

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