第19話 聖者の行進

 中枢の城では、天界人がモニターを叩きながら絶叫していた。

「止めろ! 誰かあの行軍を止めるんだ!」


「駄目です、ジャガーノートがメインコンピューターの指示を受け入れません!」


「それじゃあ、ジャガーノートを破壊しろ!」


「AWを平坦にするために、メタンガス爆発も水素爆発も想定して強化設計してあるんです。破壊は無理です」


「動力源を壊せばいいだろう?」


「太陽光を浴びている限り半永久的に自動で動き続けます。設定された破戒範囲は城壁で仕切られたエリア。そしてジャガーノートたちはこのBW界側を攻撃対象として認識しています」


「馬鹿な……この世で安全なのはAWエリアのみということか?」


「そのようで……」


 メキメキと音を立てて、司令室の窓に破壊神シヴァの顔が近づいてきた。

 聖者の行進は止まらない。ただひたすらにまっすぐ、全てのものをなぎ倒してアイシャは進む。

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