第13話

 残された一ヶ月の間に、アングラの人々は手製の武器を作った。

 アイシャは監視カメラに細工をして偽映像を流した。

 監視を外れた人々は壁に足場を打ち付けると、ありったけの巻取り式リールワイヤーを設置した。スロープが降り切る前に、一人でも多く壁の向こう側へと送り込むことが作戦の成功率を押し上げる。


 着々とジャガーノートは並べられ、偵察機からの映像は、もはや遥か先が豆粒のように小さく見えなくなっている。


「明日……何人生き残れるかな」

 バラック小屋のシングルベッドでアイシャはダンの耳に囁いた。


「さぁな」

 ダンは不安を吐き出すかのようにアイシャの身体を激しく抱いた。

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