どんどん作って、どんどん棄てる。 いずれモノだけでなく、人までも。

意外と自分のおしりをちゃんと拭けていない人って多いかもしれないな。

のっけから何を言ってるんだ! と思われるかもしれませんが、こちらはそういった不都合な真実を浮き彫りにしてくれる作品かもしれません。

見えなくなったが最後、棄てたものが今どんな姿か、どんな匂いか、どんな音を立てているか、想像して視ようとも思わない人のおしりには、まだ付いているかもしれません。
見えないもののことは、あまり深く考えていなさそうだから。


飲みきれなかったジュース、トイレの水、風呂の湯、洗濯水、工場排水、実験排水……それらが流れてゆく時、その水一滴一滴が、巡り巡っていずれ自分の口にも入るだろうその時までの水の生涯を想像して、想いを馳せられる者はどのくらい居るでしょうか。

存分に購買意欲を掻き立てられはしたものの程なくしてお蔵入りになる物たち
使い捨て前提で作られ当たり前に短命に終わる物たち
そして失脚した人たち

人は廃棄したものを見ない。

それがこの物語の舞台となる二極化した世界。
いずれ、聖者によって均される。
その時に聴こえてくる断末魔をかき消すのは……

終末世界に生き残るのは、一体どんな存在なのだろうか。
その答えの一つが、この物語の中に。


>いいんだよ。お宝は人それぞれだ。
何気にこの台詞が好きです。

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