第11話 ジャガーノート

 偵察機の映し出す画像に変化が訪れたのはそれから数週間後のことだった。


「うわ、これがジャガーノート? 趣味悪いわね!」

 アイシャはモニターを見ながら顔をしかめる。先頭に配された推定30m級のジャガーノートの正面には巨大な破壊神シヴァの顔像が彫刻されており、その後ろに続々と一回り小さい山車が配置されていく。


「制御パネルが組み込まれてるのは、顔のある一基だけのようだな。後続はGPSで追尾させているだけだろう」


「だったらあの悪趣味な先頭のヤツから制御を盗めばいいってこと?」


「メインコンピューターが簡単には盗ませちゃくれないだろうがな」

 忙しなくキーボードを叩きながら、ダンは吐き捨てるようにそう言った。

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