第16話拠点防衛




 30分ほど休憩するとようやく俺も動けるようになった。幸い敵性モンスターに襲われることは無かったが少しだけ違和感がある。

 俺は拠点に選んだ広場に向かう。


「そっちは大丈夫だった?」


 拠点を見るとシッカリと、魔除けの陣がチョークで書かれておりそこに魔力を流すだけで、魔物が嫌がる波動を出す結界を敷くことが出来る。


「坊ちゃん! 無事でしたか……良かったぁ。先ほど凄い音がしてましたけど大丈夫でしたか?」


 まだ避難者はいないようだな……運が悪ければ全滅……こんなイベントに見覚えが無いので多分大丈夫だと思うが……


「まぁ、ビガラプファングに襲われたぐらいかな……」


「び、ビガラプファングですかッ!! 自分にはまだまだ遠い話です……」


「まぁ、元々倒す予定だったから問題ないんだけど……魔力を温存するために放出系を絞ると少しキツイわ」


「自分には縁遠い話ですね……」


「あはははははっ、まぁファイアーボール数発で沈むもんね」


 彼は平民ではないものの貴族の血を引いているため、魔術を扱うために必要不可欠な魔力を操作する技能を持っているので、魔術を使うことが出来る。だが最大容量が低いので、主に効率の良い身体能力向上系と攻撃スキルしか使用しないのだ。

 

 因みにゲーム時代だと、主人公と魔術主体のキャラクター以外は彼より少しマシ程度しか魔術が使えない。


「高い増幅具があればもっと撃てるのに……」


 嫌な気配がする。


「多分敵だ! 武器を抜け……」


 俺は同年代の従騎士君に命令をしながら自分も槍を構える。もし中型モンスターなら一撃に近い理論値で倒さなければ、拠点が使えなくなるし従騎士の命も俺の命も守れない……


 俺は攻撃系スキルの『溜めチャージ』を開始する。力を溜める事で、その後に放つ攻撃の威力を向上させる効果を持つ攻撃補助スキルで、合計4段階存在し段階ごとに倍率が異なる。

 白亜の魔力光が手に集まり、『溜めチャージ』している事を示す。

 ビガラプファングと思わしき頭部が家々の陰から出た瞬間。俺は『突き刺し《スティングピアス》』を放つ。

 これは簡単に言えば、攻撃スキル化された突き刺し攻撃だ。しかし魔力を伴った攻撃にはゲーム的に言えば、ほぼ全ての攻撃スキルでダメージが上昇して、クリティカル確率と即死確率が上昇する基本効果と、追加効果で形成させている。


 しかしこの世界は、あくまでもファイアーファンタジークエストに類似しているだけの世界であり、元の現実世界と同じく物理法則に支配されているので、心臓を付き刺せば死ぬし背骨を砕いたり頭蓋を陥没させても死ぬ。


 穂先を頭部で一番柔らかい眼球を狙いすまし、踏み込んで渾身の付き攻撃を放つ。


 穂先は吸い込まれるようにして、ビガラプファングの眼球から脳へ突き刺さり絶命させる。


「大丈夫か?」


 先ず間違いなく従騎士はケガを負ってはいないものの、何かあるといけないので声をかける。このような市街地のような建物が多い場所では、視覚が多く建物の上から飛び掛かって来る事も考えれば、おちおち気を休める事も出来ない。


「何とか大丈夫です……」


 従騎士の傍には、ラプファングの死体が一体転がっており彼も一応死線を潜り抜けてたようだ。


「数が少なすぎる気がする……」


「確かに住民がここへ逃げてこない事を加味すると、もっと数が居てもいい気がします……」


 もしかしたらもっと強力な竜種……例えば大型竜種が居るのかもしれない。希望的に考えるのなら、村に入り込んだ中型モンスターは俺が倒した2体と少しで、騎士達や冒険者が戻ってこないのはそいつらを倒してから、村人を運んでくるかもしれない。


 人間は絶望的な状況に居陥ると、マイナス思考に囚われるか楽観視してしまう。


 クソ! 何でもいいから状況が動いてくれれば判断が付くのに……


──『レベルアップ』 




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名前 シャオン 


種族 ハーフエルフ 


ジョブ 槍使い Lv14 ←【レベルUP】


次のレベルまでの必要経験値xxx 


スキル 


【槍術】 Lv5


 →槍や棒状の武器を使用する際にステータス補正


・【疾風突き】 Lv4


 →目にも止まらぬ素早い動きで、先制して敵を貫くが素早さの分威力が低下する。※スキル熟練度で効果が向上する。 魔術属性『風』物理属性『刺突・斬撃』


・【突進突きチャージランス】 Lv1


 →槍を構えてスタミナの続く限り速度を上げ当て突撃する。移動能力が上昇する代わりに、視野と旋回性能が低下し距離が開いているほど威力が上昇する。※スキル熟練度で効果が向上する。魔術属性『風』物理属性『刺突』


・【盾殴打シールドバッシュ】 Lv1


 →盾で殴る事で脳震盪……混乱または硬い装甲を破壊する事がある。※スキル熟練度で効果が向上する。



・【叩き落し】 Lv1


 →少しのため時間が必要だが攻撃力が少し上昇し、敵単体にかなりの間、防御力が低下する異常状態『破硬lv1』を付与する事がある。※スキル熟練度で効果が向上する。 魔術属性『風』物理属性『打撃・斬撃』


・【薙ぎ払い】 Lv1


 →槍の柄の長さを含くむ距離の敵に全体攻撃をするが敵に当たれば当たるほど威力が減衰する。※スキル熟練度で効果が向上する。 魔術属性『風』物理属性『打撃・斬撃』


【突き刺し《スティングピアス》】 Lv1 ←【NEW】


 →通常攻撃に比べてクリティカル確率と即死確率が上昇し発動速度が上昇する。※スキル熟練度で効果が向上する。 魔術属性『風』物理属性『刺突』


・『溜めチャージ』 Lv1 ←【NEW】  


 →力を溜める事で、その後に放つ攻撃の威力を向上させる効果を持つ攻撃補助スキルで、合計4段階存在し段階ごとに倍率が異なる。※スキル熟練度で効果が向上する。


【剣術】Lv1


【盾術】Lv3


【鑑定】Lv1


【魔術】 Lv3 

 

【召喚魔術】Lv2


====================




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【あとがき】


まずは読んでくださり誠にありがとうございます!


読者の皆様に、お知らせと大切なお願いがあります。


本作が週間総合ランキング385位、週間異世界ファンタジー231位になりました。本当にありがとうございます。


少しでも


「面白そう!」


「続きがきになる!」


「主人公・作者がんばってるな」


そう思っていただけましたら、


作品フォローと★星を入れていただけますと嬉しいです!


つまらなけば星一つ★、面白ければ星三つ★★★で構いません。


読者の皆様が正直に、思った評価で結構です!


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作者のモチベーションが上がって最高の応援となります!


感想やコメントだけでも構いません。「ここがダメ!」「ココがいい」などありましたら書いていただけると次回作や今作の修正をする場合があります。


そうぞ、よしくお願い致します。m(__)m

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