公爵家から追放されたハーフエルフの俺は、序盤のイベントで勇者を庇って死ぬモブに転生したので、死亡フラグを回避する為に槍と魔術で最強になりました。俺はハーレム王になって新天地で領主として楽しく暮らしたい
🔥SOU🍨🔥12月06日より新作投稿開🐳
第一部 プレリュードゲーム開始以前
一章 ゲーム序盤に主人公を庇って死ぬ槍使いに転生したようですゲーム開始より前に転生したので死亡フラグをへし折りたい
第1話転生
「眠い……」
俺は型落ちの商品に値札を張りながら、大きな欠伸をする。
俺の仕事をしている職場は、大手電機屋の
そのため辞めていく新人や、無責任なバイトの後始末をするのが俺の主な仕事である。
ガンと音を立てて、埃っぽいバックヤードの鉄製の扉が開く。
そこに居たのは30代と思われる。金に近い茶髪で軽薄そうな見た目をした色黒のホストのような男だった。
「お疲れ様です。店長……」
正直に言おう。俺はこの男が嫌いだ。軽薄な見た目と言動、自分の事を優秀だとは思っていないもののお調子者と言うか、軽い言動が酷く不愉快だった。
「お疲れ、お疲れ……いや~ゴメンね。本当は手伝いたいんだけど、今日はエリアマネージャーと会議があってね。鍵はいつも通り預けておくからあとはいつも通り、( `・∀・´)ノヨロシク~」
そう言うといつも通り、未婚の若い女性スタッフを引き連れて早々と上がって行ってしまった。
女と酒があれば会議じゃなくて飲み会だし……ていうかエリアマネージャー婚約者居るだろうに……
「縁故採用なんだよなぁ……
子供の頃ゲームが好きで、任〇堂やソ〇ーと言ったハードメーカーよりも、カプ〇ンやコ〇エーテクモのようなソフトメーカーの方が、俺の好みには合っていたのが……大学や専門にも行っていない俺がゲームを作れるハズもなく、こうしてゲームソフトコーナーを俺好みにする事だけをモチベーションにして仕事をしている。
今日も今日とて、俺はゲームを立ち上げて、ドラマチックハンティングアクションRPGゲーム。ファイアーファンタジークエストをプレイする。
内容はシンプルで王道なストリーで、主人公を操作して魔王の手から世界を救うという単純明快なストリー。
それは一重にアクションゲームとしての完成度に、オープンワールドである広大なマップ、ギリギリに調整された難易度、サブクエストやアイテムの豊富さと言った世界観の奥深さ、美麗グラフィックに、スキルやモンスター、動植物と言った
全ての要素が一神ゲーの要件を上回っており、一度ゲームを開始するとたちまちその世界に引き込まれてなかなかやめられない。ここまで完成度の高いRPGは日本製では出会えたことが無かった。そして今までプレイした事があったRPGの全てのゲームを凡作にしてしまった。
「この残業が終われば、
18連勤と度重なる店長の無茶振りによる夜更かしによって、酷使されていた俺の肉体は終に限界を迎えた。
少しぐらい目を瞑ってもいいよな……
◇
瞼を閉じているのに眩しさを感じる。
アレ、俺あのまま寝落ちしちゃったのか?
俺は地面に手を突いて、身体を起す。
本当はあまりよくない事なのだが、寝起きに目をこすり目ヤニを取る。
近くに綺麗な小川でもあればいいのだが、生憎とこの辺の川の水は飲料には適さないので、清潔な井戸水を飲むしかない。
あれ……何んで井戸と川から水を飲まなきゃいけないんだ? 水道があるのに……
「アレ……何で俺原っぱで寝てるんだ? 確か会社の倉庫に居たハズなのに……」
霞みがかかっていたように朦朧としていた意識がハッキリとして、今まで鈍っていた思考が急激に巡り始める。
そこは世界史の教科書や資料集で見た事がある。神殿が丘にあり村落と畑が分かれている……そんないわゆる典型的な中世ヨーロッパ式の村を映像化したような場所だった。
浅い小川には水車があり、恐らくは粉ひきにでも使われているのだろう。
そんな何の変哲もない農村に、俺は酷く見覚えがあった。
もちろんグラフィックの差はあるが……
そして何より土の匂いや、牧場や動物園で嗅ぐような動物のフンと体臭の何とも言えないすえた匂がする。
「うげぇ……」
俺は慌てて川を目指して走った。
俺は川を覗き込んで自分の顔を確認する……もし勇者であれば、やれることが多くなる。仮に勇者じゃなくても死なないように、今のうちから出来る事が何かあるかもしれない。俺は淡い期待を胸に川を覗き込んだ。
くすんだような鈍い金髪に、灰がかった青い瞳に頬骨から鼻筋にかけて大きく広がる
「嘘だろ……」
俺は絶望感のあまり現実を受け入れられずにいる。
ピシャ!
水面で小魚が跳ねて、澄んだ川の水が顔に当たる。
冷たい……
間違いない……コレは現実だ。
どうやら俺は、ファイアーファンタジークエストの世界。それも主人公である勇者を庇って死ぬモブ……通称【槍使いのシャオン】に転生してしまったようだ。
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【あとがき】
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