第12話モンスターを解体しよう




「歩きながら説明する。モンスターは動物と違う臓器を絶対に一つ持っているの、魔石と呼ばれる石のようにな器官で、モンスターによってどこに付いてるかが変る事が大きな特徴で、それと同時に弱点でもあるの……」


「弱点?」


 ゲームでは魔石は確率で剥ぎ取る事が、出来るアイテムと言う扱いだった。


「そう。弱点……魔石を無くせば死ぬ事が多いけど、魔術が使えなくなるだけとか弱体化するだけの事もあるから、致命傷じゃなくて弱点」


 確かにゲームの設定では、魔石は現実世界の石油や電気のような万能のエネルギー源だった。


「魔石以外は、殆どのモンスターが動物の臓器と同じものを持っているけど例外もいる……」


「例外ですか……それってワイバーンとかランドドラゴンとかそう言うモンスターですか?」


「大体あってる。魔術を使い炎の息ブレスを吐く事で知られる竜は、臓器の一部が変化した部位をもっていて、その油に着火して炎の息ブレス放っている臓器の名前はモンスターによって違うけど……冒険者は総称で魔臓まぞうって呼んでるわ」


 周囲には最初の方に槍で殴り殺した。数匹のラプファングの死体が散らばっている。


「見てて、基本的に冒険者はモンスターを倒しその素材を売る事で生計を立てている……平たく言えば猟師と傭兵を合せた職業。だから出来るだけ綺麗にモンスターを倒す必要がある……」


 ハッキリとは言わないものの、彼女は倒し方が雑で、素材としての価値が低いと言っているのだ。


「はい」


「最後の方に倒したみたいに破裂させると、魔石代ぐらいしか稼げないからオススメはしない。その点この撲殺した死骸と喉を掻き切った死体は比較的状態がいい。魔術を使う場合は一点だけを狙うといい」


 そう言ってラプファングの死骸に、刃渡り15センチほどの肉厚のナイフを首筋に突き立てる。


 ブシュ!


 動脈を掻き切ったのか血が滴り落ちてくる。


「先ずは革ね。モンスターによって売れる部位は変わるけど基本的に革は売れる。靴や鎧に服と使用用途は多岐に渡るから先ず売れる。だから一枚の綺麗な皮になるように先ず首を落として、そこから刃を入れて解体する方法と腹から捌く『腹開き』と言う方法がある」


 そう言いながら腹をナイフの刃先で撫でる。


「爬虫類に近い走竜系のモンスターは血がついても大丈夫だけど、毛皮のあるモンスターの場合は腹開きで解体するか、木など吊るして解体すると良いでしょう。血がつくから……」


 そう言ってナイフを振り上げて、首の骨を叩き斬る。


ボキ!


「このようにモンスターの骨は、通常の生物の骨とは異なり大変頑丈にできていますので、攻撃スキルを発動させるつもりで首の骨を叩き斬りましょう。残念ながら私は上手ではないのですが専門の方……サポーターでしたら首の骨と骨の間を上手に斬るのでもっと手早く斬れます」


 ゲームでは、パーティーにサポーターのキャラクターを入れる事で、回収時間の短縮と確率が上がっていたが、サポーターはやはりこの世界でもいるようだ。


「なるほど職人技という事ですか」


「そのとおり。そうしたら、内臓を斬らないようにナイフの刃筋……切っ先でスーっと精器前まで刃を進めてください。そうすると筋肉と骨に包まれた肉塊と、内臓周りだけに綺麗に分かれます」


「そうしたら後は、丁寧に内臓と肉と革にバラシて行くだけです。この技能は冒険者をやっているモノならば、程度の差はあれど皆習得している技能になります。サポーターを雇う金銭では小型モンスター何体分の魔石や革、牙と言った品が必要になるか考えたくもありません。増してやギルドが派遣してくれる解体屋スイーパーなどは、高くて中型や大型でもないととても呼べません」


 なるほどそれで大型モンスターは、報奨金や素材が少なかったのか……サポーターとは言っても雑用程度の実力の冒険者と言う事か……


「さぁ、幸い実験体は山のようにあります。あと8体で習得してください。出来なければアナタにモンスターを狩らせた後に解体させます」


「は、はい!」


 無口系の女性かと思ったけどただのスパルタだった。



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【あとがき】


まずは読んでくださり誠にありがとうございます!


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「主人公・作者がんばってるな」


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