四章 怪物の偽王

第21話怪物僭主《モンスターレックス》




 そんなこんなで俺の死にたくないと言うワガママと住民……冒険者を助けたいと言うエゴで救助隊を編成し、冒険者達が捜索に向かったエリアに今向かっている。


 騎士と年齢によって騎士を引退した御者の合計4人に、俺を含めた5人と召喚獣のサラマンダーと言うのが今回のパーティーだ。


 ゲーム的に言えば最大パーティー4人に、NPC一人の最大5人が多かったがもしかして、本来なら俺が探索に加わる事無く4人で冒険者を助けに行く、と言うのが本来の筋書きなのかもしれない。


「敵が来ます!」


 騎士の声で俺は槍と盾を構える。周囲の騎士達も各々の武器を構える。


 建物の陰から巨大な頭部が見える……それはいわゆるティラノサウルス類のような巨大な頭部を持っていた。


「グゥワ゛ワ゛ワ゛ワ゛ワワワワワワアアアアアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァァアアアッ!!」


 耳をつんざくような【咆哮ハウル】によって、数秒行動が遅れてしまった。

 モンスターの咆哮には、精神を不安定にさせる効果があり耐性が高い人間でもなければ、数秒程度怯んでしまう。


「何だアレは……」


 似たモンスターは見た事がある。アンレグスと言う恐竜型の骨格をした中型モンスターでありアレとは似ていない。

 

て言うか……恐竜には声帯が無いハズだろ! 


 ――――と説教をしたくなるが爬虫類の多くはグーというような唸り声は出すらしい。ラプトルに近い鳥類は鳴くからと言うのが正しいと言うべきか……昔取った杵柄と言うが正ににその通り。

 大人……と言うかおっさんになった俺だが、古代王者恐竜キ〇グや甲虫王者ムシ〇ングを通過してきたデータカードダス系世代として、昔調べたその辺の知識は中々忘れないモノなんだなぁと、場違いにも感傷に浸ってしまう。


「進化固体かッ!!」


「クソ! ついてない……」


 騎士たちは口々に不満を言う物の戦うつもりのようだ。呆然としている俺に剣術指南の騎士が声をかける。


 体高約4メートル、全長約10メートルはあろうかと言う巨体だ。ラプファングの進化種だとしても倍近い体高だ。もはや別種と言っていい殆どティラノサウルスと同じ大きさだ。二足歩行型生物の最大体高である約5メートルとほぼ変わらないため脅威と言っていい。


 幸いこちらに興味が無いようで大通りを進んでいく……ジュラ〇ックパークではティラノサウルスは、視力が低いと描かれていたが事実ではない。ノベライズ版で補足されているがカエルのDNAで補ったため動かないものが見えないだけらしく、この変異種が見えていないとは思えない。


「坊ちゃん。召喚魔術の最大数は3体で良かったですよね?」


「あぁ……」


「ではサラマンドラをこちらに貸してください。支援砲台として使います。坊ちゃんは脚になる召喚獣を呼び出して逃げて下さい……アレは不味い。レベルは大したことなさそうですが、種族レベルと基礎ステータスだけで釣りがくるぐらい強いですよ……コレだから進化種は嫌なんだ……」


 進化種……それはゲーム本編で度々口にされていた単語ではあるものの……殆ど登場する事が無かった要素である。

 設定上モンスターにも種族レベルとジョブが設定されており、一定を超えた個体が表れると進化種として別の種族になる……と言う設定で主に特殊な個体やボスの強化イベントの時に、進化種と説明されていた……解りやすく言えばポ〇モンの進化や、ドラゴ〇ボールのセル第一形態とか……そう言う感じだ。


「――――これより遅滞戦術に移行する……何としてでも坊ちゃんを逃がして残りの住民を生き延びさせるぞ!!」


「「「おーーーーッ!」」」


「待てよ!」


 俺は騎士の言った言葉が受け入れられず。腕をつかむ……




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【あとがき】


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