第7話晩餐会
俺は屋敷の食堂の10メートルはあろうかと言う長机の下座に座って、いつもよりもかなりも豪勢な夕食に舌鼓を打っていた。
当然のように俺に与えられた席は下座であり、事実上この屋敷の所有者である俺であっても次期当主候補の兄の前では、ただの家臣の一人と言った所だろうか。
「聞くところによると、ラプファングを一頭討伐したらしいな」
この世界で生きて来たシャオンとしての記憶があるで、兄のこの遠回しな言い方に疑問を覚える事はない。
「はい。母に買って貰った鋼の槍で仕留めました」
「ほう……」
そう言って兄が見たのは、壁に背を当てるようにして控えた俺の母であった。
「鋼の槍なら、練習ようには丁度良い品だな……俺からもシャオンの誕生祝いに、武具を送ろうと思っていたのだが控えた方が良いだろうか?」
――――そう言って母の方を見る。
「いえ。私が送った品など所詮は
――――と目を伏せた状態で、イオンお兄様を怒らせないような口調で提案した。
シャオンと言う公爵家の血を引いた子供を産んだとしても、正妻の子供……長男ともなればこの屋敷では敬われる立場の母でも、目を合せないように、不況を買わないのように振る舞わなければいけないのだ?
それは全て俺の責任だ。俺が正式に公爵家の子供として認知されれば、イオンお兄様とて無下に扱う事は出来ない。
(俺は決めたぞ! 妾の子供でも正式に一族の一員と認められるような功績を上げ、母さんにこんな惨めな思いをさせたくない!!)
ゲーム序盤のイベントでは、下級中位程度のモンスターの鱗や革を用いた装備に身を包んでいたので、それよりも良い装備が手に入るのならその方がゲームのイベント通りに死ににくいので正直嬉しい。
「フン、いいだろう。貴様には儀礼用の品など剣一振りあれば十分だろう。その分良い装備と片手剣を見繕ってやる。そのエルフが居れば
この世界では、どういった装備が好まれているのかは知らないが、ゲームでは装備一部位毎に付いているスキルを基準に皆装備を考えていた。
少しでも快適さを求めた装備や、火力を求めた装備もあったがモンスターに殺されれれば本当に死ぬゲームではない今の状態なら、生存スキルを持った装備がいいな……それに麻痺、睡眠、毒のどれかの属性が付いた汎用武器なら、どのモンスターが相手でもある程度は戦えるし。
「お兄様ありがとうございます」
「何気にするな……王都で良い知らせがあってな……」
うん。何か嫌な予感がする……ここで勇者が生まれた予言が来れば恐らくは、ここで貰う装備があの時シャオンが着ていた。クソダサ一式装備通称 配布防具教官コス一式が確定する気がしてたまらない。
せめて同じく、バージョンアップ版が発売した時に配布した守護者装備の方が嬉しい。
「どのような事でしょうか?」
「聞いて驚け! 我が公爵家の俺が管轄する領内に全ての魔を払う
そうこの『全ての魔を払う
「それは、まことですか!!」
「我が国を含めて、この大陸に住まう全ての人間はモンスターに脅かされている。それを打ち払うのが慈悲深き女神の使徒である勇者だと言う。
神官共によれば勇者は、
フン、何ともバカげた話だ。もし本当にそんな力を持っているのなら、それは勇者でも何でもない。人の形をした
「確かにそうかもしれません……」
ゲームでの描写を見る限り、
現実世界で言えば、核兵器が歩いているようなモノだからな……
主人公である勇者殆どとある町から移動する事はなかった。拠点として様々な場所には行くが、拠点となっていたのはとある都市だった。
「なに心配するな、我が公爵領には飛び地である交易都市にして、対モンスターの最前線である城塞都市がある名前は……」
もしかして……その拠点となる都市って……
「「アリテナ」――――と言う都市でな。場所は王国と皇国の中間にあり、南が海で、東が砂漠、西が深い森で、北が氷雪地帯と言うこの世の縮図のような璃環境だ」
やはり前線都市アリテナが舞台になるのか……
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【あとがき】
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作者のモチベにつながり、執筆がはかどりますますので宜しくお願いしますm(_ _)m
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