第1話-⑦ 星の子

ドゴオオオオオオオオー--ン!!




黒煙こくえんあたりをつつむ。


「う…わ!」


黒煙こくえんにキラキラとひかすなじり、そのすな背骨せぼねのようなものを形成けいせいはじめる。


やがて背骨せぼねから骨盤こつばん四肢ししほね、そしてそれらの骨を青い鉱石こうせきらばる皮膚ひふおおい、胴体どうたいのようなものができる。


最後さいご頭部とうぶ形成けいせいされるころにはすなはすべて怪物かいぶつ身体からだまれていた。


視界しかいれる。


ソウタはけむりの中にいた怪物かいぶつ姿すがたを見て、さけびそうになるのを物狂ものぐるいでおさえた。


式典内しきてんないで見た怪物の背中が今、目の前にある。



(っ!星の子!?なん……落ち着け!まだ、こっちに気づいてない…落ち着くんだっ)



ソウタは両手りょうてで口をおさえたままあとずさる。

呼吸こきゅうあらくなりうまくあしうごかない。 



たのむから…!)



そうねがった瞬間しゅんかんに怪物がえた。

全身ぜんしん左右さゆうから抑え込まれるような圧迫感あっぱくかん


「はっ…はっ……」


ソウタは背筋せすじこおり、こしけた。

もう到底とうていうごける気がしなかった…

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