第2話-② 絶対絶命

(出すな…声を、出すな…早くここから―)


しかしー



「!!!」



星の子はギロッと振り返り、ソウタと目が会う。

身体からだ鉱石こうせきだらけなのに眼球がんきゅう水気みずけがあり、気色悪かった。

ソウタはとうとう我慢がまんできずに叫び声をあげた。 



「んんんうううう…うわああああああ!!!!」



ソウタの叫び声に、メラナとリッキー、アンバー、ラウは一瞬行動を止める。


メラナはまゆをひそめる。


「…始末書」



しかしすぐにメラナは救出へと切り替える。

その場で両足をみ込み、そして地上から70メートルほど上空じょうくうび上がった。

その恐ろしい衝撃しょうげき舗装ほそうされていた歩道の一部がくだった。



「先輩!」



護送車ごそうしゃからはもう1人の隊員セティが叫ぶ。

しかしメラナはすでに空中。



メラナは上空から地上に落下するまでの間で周囲しゅういを確認。



(一般人は1、星の子も1。その他の気配なし…ん?)



星の子がソウタにおそいかかろうとしていた。


ソウタはいつくばりながらも、何とか逃げようとするが星の子がせまるー



ソウタが覚悟した瞬間、

ドスンと何かが地面に落ちる音を聞いた。



(………………あれ?)



痛みはない。


そのかわり、ヒールの音とともに女の子の声が降ってきた。



「さて…」



ソウタはゆっくり後ろを振り返った。


目の前には綺麗きれいな女の子がしゃがんでいた。

同い年ぐらいだろうか。

黄色きみがかった優しい亜麻色あまいろかみに深い赤茶あかちゃひとみ


女の子の後ろには、星の子の右腕みぎうでがゴロンと転がっている。


(な、にが起きー)


メラナは細いまつ毛を揺らしながら柔和にゅうわ微笑ほほえみ、ソウタに問いかける。 



「怪我はない?」

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