第3話 三領域連合警察隊②

第3話-① カッパ総監とライラ前半戦

メラナは階段かいだん付近ふきん移動いどうする。


(ラルとアイゼン以外は警戒けいかい範囲はんい内に入っているな)


メラナは横目よこめでセティたちを見る。少々言い争ってはいるが、ソウタを大人おとなしく座らせているようた。


メラナはプライベートの携帯電話を取り出す。

とはいっても、警察隊関係者の連絡先しか登録されていない。

電話帳の上から2番目。

"カッパ総監そうかん"と書かれた文字を選択し、

呼び出しをかける。


メラナはカッパ総監こと、警察隊のNo.2警察隊けいさつたい総監そうかんに連絡を取ろうとした。


「あ…!」


セティは何か言いかけようとメラナに向かって手をかかげる。

メラナもそんなセティに気づくが、電話を切るより早くも応答があった。


「セティィィ!!助けて、この朴念仁ぼくねんじんもう無理!」


声の主はセティの部下ライラだった。

メラナはカッパ総監のデスクに電話をかけたはずだが、ライラも総監室そうかんしつ居合いあわせていたらしい。キンキンした金切り声がメラナの耳に多少のダメージを負わせる。


「…ライラ」


メラナはため息混じりに彼女の名前を呼ぶ。


「え!?」


ライラはやっと電話の相手がメラナだと気づく。


「し、司令!?あ、いやこれはぁ…」


カッパ総監ことヘデンもその場にいた。

ライラが「司令!?」と叫んだことにより、

警察隊 特部とくぶ司令官からの電話だと察する。


「わかった、後で聞くから。ヘデンはそこに居る?」


メラナは、狼狽うろたえるライラをなだめつつ、電話を取り次ぐよう要求。

とはいえ、メラナが言い終わらないうちに、ヘデンはライラから受話器を取りあげた。


「俺だ」


「!…星の子の破壊はかい許可きょかが欲しい。人が足りない」


ヘデンは間髪かんぱつ入れずに答える。


「却下だ。サンプル捕獲が最優先。何のためにお前が現場にいるだ、何とかしろ」


メラナは舌打ちしそうになるが、グッと堪える。


一方ライラは、"人手が足りない"と言ったメラナの声を聞いていたようで、任務に向かわせろと、ヘデンに抗議し出す。


メラナが返答する。


「了解。あと監視対象87に星の子を見られた」


「…なんだと?」

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