1. 宿題をやらせるか
1. 宿題をやらせるか
今日も平凡に生きている。目の前のこいつさえいなければだけどな。
「ん?いやーん。先輩。私のことそんなに見つめちゃって発情期ですか?」
「……今のでお前はオレを怒らせた。今すぐ自分の部屋に帰れ」
「えー、ひどいですよ。私と先輩の仲じゃないですかぁ」
「うん。だったらなおさらだな。オレはやることがある。だからお前は帰れ」
そう言ってからオレは机の上に宿題を広げる。もうこいつに構っている暇はないのだ。こいつの思考は破綻している構うだけ時間の無駄だ。
「あ!それじゃ私が教えてあげますよ!」
「……は?」
「ですから先輩の宿題のお手伝いをしてあげようかなーなんて思ったんですけど……どうしますか?」
「お前一年だよね?ふざけてるのか?」
「まあまあ遠慮しないでくださいってば。可愛い彼女が言ってるんですよ?」
うぜぇ。彼女じゃねぇし。だがここで断ってもまた面倒なことを言い出すだろう。ここはおとなしく受け入れたほうがいいかもしれない。
いや待てよ……ここはこいつにも宿題をやらせておとなしくさせよう。そしてその間に宿題を終わらせる。うん。それがいい。ナイスだオレ。
「なぁ白石。お前も宿題あるだろ?一緒にやろうぜ?」
「えっ……先輩やっぱり私と一緒に宿題デートしたいんですね?……いやーん。嬉しいですぅ。彼女のために……さすが彼氏ですね?きゃっ言っちゃった!」
逆効果だった……。結局この後宿題をやりながらこいつの変な話に付き合わされることになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます