6. 端から揃えろよ

6. 端から揃えろよ




 はぁ。今日も来た。でも……なんか……変な荷物を持ってやってきたんだが……。


「ああ重い。先輩ちょっと運ぶの手伝ってください。」


「お前、何を持ってきたんだよ?それ?」


「額縁です。あとジグソーパズル。なんとこれ2000ピースあるんですよ!先輩が構ってくれないからやろうかなって思って」


 いやいやここはオレの部屋なんだが?迷惑極まりないし。


「このあたりでいいかな?」


「んー?っておい!ちょっと待て!何でわざわざ、いつもオレが座ってる真正面に置くんだよ!?」


「ここくらいしか広い場所ないですよ先輩の部屋?それに私のこと見れて嬉しいですよね?」


「嬉しいと言うより、キレそう……」


「えっ!?そっちですか!?普通私が見られてドキドキするんじゃないんですか!?」


「しねぇよ!構ってくれないって、言っとくがだいぶ構ってるからな?」


 こいつは時々よくわからないことを言う。


「まあ、とにかくやりましょうよ。はいスタート。」


「おいっ!まだやるとは言ってねぇぞ!あーあ……お前ジグソーパズルをばらまくなよ……」


「そんなこと言っても無駄ですよ。ほらほら早く始めないと終わらないじゃないですか?もしかして私がお泊まりするの期待してますか?いやーん。先輩ったら!」


「うるせぇよ!さっさと終わらせろよ!」


「もう照れちゃって可愛いですね~」


「白石。端から揃えろよ!あと色でわけろ。真ん中とか無理だからな?」


 はぁ……。なんでこんなことになったのか……。結局。オレと白石はなんだかんだでジグソーパズルを完成させ、お互いに達成感を味わった。

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