206. 謎の友情
206. 謎の友情
あのあと適当に京都の町並みをぶらついて初日を終えることになった。そして旅館。黒崎が言うように他の生徒たちとは違う旅館でかなり豪華な感じだった。
そしてオレは2組の北山と言う男子生徒と同じ部屋になる。まぁそもそもクラスの奴らとも仲が良くないから、この点は我慢するしかない。
「えっと神原君だよね?3日間よろしく」
「ああ。よろしくな」
確かに大人しそうなやつだな。髪も染めてないし、真面目そうでもある。さすがは学級委員だな。
「あの……聞いてもいいかな?」
「なんだ?」
「神原君って……その黒崎さんと付き合ってるの?」
「いや違うぞ」
いきなりそんなことを聞かれた。やっぱり変な噂とかになっているのか……というよりなんでこんなことを聞いてきたんだろうな。
「そっか。後輩の子と付き合ってるんだっけ?」
「まぁな」
それにしてもこの北山っていう男。なんか違和感があるんだよな。何がとは言えないけど。それに何か言いたそうだよな。
「なんか言いたいことがあるのか?」
「え?あっその……実はさ」
北山はオレに話し始める。実は今回の修学旅行で一緒に行動する子と付き合っているらしい。そしてお互いの両親が厳しくてあまり一緒の時間を過ごせていないようだ。
「それで、もし神原君が黒崎さんと付き合ってるなら、こっそり部屋を交換出来るなって思ってさ。一緒に泊まったことないから……これがチャンスだと思ったんだ」
「なるほどな」
気持ちは分かるぞ北山。好きな人と少しでも長く居たいもんな。でも残念ながらオレは黒崎とは付き合っていない。うーん……何とかしてあげたい気持ちはあるが……。ん?待てよ。普通に考えればオレと黒崎って寝泊まりしてるよな?
「なぁ。オレさ明日黒崎に聞いてやるよ」
「え!?悪いよ……」
「気にするなよ。オレと黒崎は別に何もないから安心しろ。お前は男になる準備だけしとけ」
「格好いい……」
だろ?これが本当の男の格好良さだからな。とか言って明日黒崎に断られたら恥ずかしいよな……。
こうして謎の友情が北山と芽生え、何とかしてあげられるようにしようと思うのだった。
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