10. なら問題はない
10. なら問題はない
「ねぇねぇ先輩。今度の休みにデートしましょうよ!私たち付き合ってから、まだ一回しかデートしてないですよ?」
「その一回って、ただ買い物をしただけだろ。大袈裟にデートとか言うなよ」
「付き合ってることは否定しないんですね?」
「もう何百回も否定しているが?」
オレがそう答えると、白石は不満そうな顔をした。唇を尖らせてブーイングする。
「むぅ……じゃあ先輩の好きな人ってどういう人なんですか?」
「は?なんでそんなことお前に言わなくちゃいけないんだよ」
「言わないなら私だと認識しますから、次から否定しないでくださいね」
本当にうぜぇ。マジでこいつ……いい性格をしているな。
「どうなんですか先輩?可愛い系?美人系?」
「……そうだな、強いて言うなら可愛い系か?」
「それって私のことじゃないですよね?」
「それはないから安心しろ」
こいつは何を言ってるんだろう……。いや、何を言いたいのか別にわかるけどさ。ウザいのが気に入らない。
「でも私は可愛い系ですよね?」
「自分で言っちゃうあたりがあざといって感じだよなぁ……」
「なら私でもいいですよね先輩?違いますか?だから私が彼女でも問題はないということで解決ですね!だからデートしましょう!」
こいつめんどくせえ……でもまぁ確かに顔は可愛いと思うぞ?黙っていればだけど。喋るとウザいけど。結局、話はずっと平行線だったので、仕方なくオレは今度の休みに白石と出かけることになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます