9. 一筋ですから!
9. 一筋ですから!
いつものように放課後帰宅したオレは白石と共にいるのだが……白石の様子がおかしい、おとなしすぎて不気味……今日はなんかいつもと違うようだ。
「はぁ……。」
「ん?どうかしたのか?なんか元気ないみたいなんだが?」
「先輩……実は私……今日、告白されたんです。陸上部の男子に、結構モテる人みたいなんですけど……。」
「え!?マジでか!?」
なんか複雑だが……なんにせよ、こいつが毎日来なくなるならよしとしよう。
「でも断ったんです」
「え?なんで?」
「だって私には彼氏がいるじゃないですか」
「……まさか、それオレじゃないだろうな?」
「先輩に決まってるじゃないですか。こんなにも素の私を見せてるんですよ?そんなの付き合ってなきゃできないですよ!」
あーうん。なんか安心だわ。こいつと付き合うとか考えたくもねぇけど、とりあえずいつもの白石に戻ったな。
「素の私かどうか知らないけど、本当に良かったのか?」
「何がですか?」
「いや陸上部でモテる人なんだろ?そんないい人、断っちまって?お前は一応可愛い部類には入ると思うからさ。」
「……あっ!そういう事ですね!ふふん」
「なんだよ、何笑ってんだよ?」
「もう!嫉妬ですか?私が可愛いから心配なんですね、安心してください!私は先輩一筋ですから!浮気とかしませんよ!」
「うぜぇ……」
「うざいってなんですか!ひどいです!」
そう言いながら頬を膨らませてポカポカ殴ってくる。痛くはないがウザい。けどそんな白石が少し可愛らしくもあった。
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