166. 大親友。ポイント制にて

166. 大親友。ポイント制にて




 無事仲直り(?)、いや誤解を解いたオレは黒崎にお泊まり旅行の件を伝えることにする。とその前にこのカフェのジャンボパフェが席に運ばれてくる。


「わぁ。大きいわね」


「デカすぎだろ……お前食べれんのか?これ2000円もするんだぞ?」


「神原君も一緒に食べてほしいのだけど、私1人じゃ無理だわ」


「ならなんで頼んだんだよ……」


「一度食べてみたかったのよ。女の子の憧れじゃない。もうそういうところ理解しないとダメよ?私の大親友ポイントがマイナスになるわよ?」


 なんだよ大親友ポイントって。貯まるとなんかもらえるのか?


「はいはい。わかったよ。食えばいいんだろ」


 スプーンを手に取り、パフェを食べ始める。しかし甘いものは嫌いではないが、やはり多い。


「あら、意外と食べられるのね。さすが男の子だわ」


「まあな。普通に美味しいし、残すのも勿体ないからな……ってお前ほとんど食べてねぇじゃねぇかよ」


「私。甘いものそこまで好きじゃないのよ。こういうの頼むと可愛いかなって思ってアピールしてみたのよ。大親友として」


「……大親友はそんなアピールしない。それは彼女が彼氏にやるものだ」


「神原君の彼女は夏帆ちゃんでしょ?私は違うわよね?」


「だからおかしいって話だろうよ!なんで彼女でもない奴にアピールされてるんだオレは!?」


 なんだかなぁ。いつもの黒崎でほっとしている自分がいるのが悔しいが、コイツと話してると調子狂うというか。とにかく疲れるというか。


「神原君。私に話があるんじゃないのかしら?」


「ああそうだった。ジャンボパフェで終わるかと思った。実はGWに泊まりで夏帆と旅行に行くんだが、黒崎も一緒にいかないか?」


「えっ……私も行ってもいいのかしら?夏帆ちゃんがいいなら行くわ!高校最後の年の思い出になるものね!いっぱい大親友として2人の思い出を作りましょ!」


「だから大親友はそんなこと言わねぇんだよ!」


 こうしてまたいつものように黒崎ともくだらないやり取りが始まるのであった。でもいつもの黒崎に戻って良かった。

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