概要
知らないことが罪ならば、知ることが罰になるのだろうか。
バラバラ殺人、首のない死体、不可解な犯行現場……道化師を名乗る犯人の犯罪を追う、高校生たちの暑すぎる夏の事件。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!黒い霧、たちこめる。
少年の生首をジャグリングするピエロ。プロローグで、このグロテスクで奇怪な存在が、執拗な描写とともに語られる。首の切断面、そこから飛び出す骨、ぬるぬるとした血液と脂肪、作中作形式で細々語られるその凄惨な様子は、「冗長で硬い」と作中人物に評されてしまうが、本作を黒い霧でつつむ主役の存在感を際だたせるには相応しい道具立てだ。
描写の執拗さは、非日常の世界に読者をいざなう技法であると同時に、「手がかりの提示」と「フレームの構築」というパズラーにおいて不可欠な要素を付加するための手段でもある。本作には、「ロジック」「本格ミステリ」というパズラー好きには見逃せないタグがつけられているが、作者の描写に…続きを読む