あの娘に「すき」と言えないワケで

高校進学のために単身、東京へ出て来た大貫孝志。

彼の生まれた群馬県みどりさわ村には中学校までしかなく、
その故郷もダム建設によって、じきに廃村となる運命となっていた。


孝志は夏休みの帰省の折、実家の土蔵のなかで彼の先祖を名乗るふみと出会う。
ふみは幼少に病死して以来、大貫家を子々孫々まで繋ぐべく見守ってきた座敷童だ。

病弱なふみは生前、兄が読み聞かせをしてくれる読書だけが外界との接点だったため、
孝志を通じて新機軸の恋愛物語を見せて欲しいと、ある祟りを掛けるが……。


※本文中に登場するモデルに関して、実際の地域・団体・組織・個人とは異なり、
作品の表現には特定の政治的や宗教的、ほか一切の意図を含みません。

※第28回電撃大賞、三次選考通過作品。おそらく唯一にしてただひとつの私の名刺。