13Kgのエクストラを抱えしホムンクルス

 最初にして最大の課題は、体重測定と共に現れた。

 

 146.5cmという13歳らしき身長を持つ、今のわたしの体重は53Kgほどあった。24歳の穂香ほのかの体重も三十路みそじのわたしも体重も44Kg程度なのに対して。

 少なくとも9Kgの余計物エクストラを、今のわたしは抱えている。そして、この余計物エクストラは、条件次第で超人的な力を発揮できるのだった。


 24歳の穂香ほのかの知己の助けを得て、わたしに余計な体重をもたらしている余計物エクストラは少なくても高分子の有機物ではないことは判明した。また、わたし達が知る原子から構成される低分子が、人に超人的な権能をもたらすことはありえない。

 かくして、わたしの中の余計物エクストラは、原子レベルもしくはそれ以下の大きさの分散構造物にして、わたし何Kgかの体重増をもらたす存在であると推測されることになった。すなわち、この余計物エクストラは、現代の科学的知見を超えたオーバーテクノロジーを持つナノマシンの集合体。


 ☆


 13歳の時の体重はせいぜい40Kgであることからして、オーバーテクノロジーなナノマシンの余計物エクストラの質量は質量13Kg。


 その頃には、既にわたしは気づきはじめていた。

 この身体がオーバーテクノロジーにより作られた、合成人体ホムンクルスであることに。

 

 このホムンクルスの身体は彼の地の大切の人たちを救うために作ら出されたもの。わたしは、この身体を彼の地に舞い戻らせななければならない。

 なるべく、早くに。


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 皆さま、本作、冒頭部をご覧いただき、ありがとうございます。


 本作では、大人(三十代)の脳と13歳の身体というアンバランスな状態に陥ってしまった、「わたし」のストーリーが展開されます。

 彼女は体重計に載った時に、だいぶオーバーウェイト(13歳の時の体重からすると13kgも体重オーバー)であることに気が付きます。

 そのことが、何を意味するのか考えていくうちにストーリーは進んでいきます。


 本節では、キーポイントとなる、この点を予めご確認いただきました。


 次節より、メインストーリーが始まります。

よろしければ、続きをお読みくださいませ。

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