第17話 二階堂研究室
『京都大学理学系研究科霊長類研究所 コンゴ友愛祈念ボノボの森 キャンパス』という立派な看板が掲げられた建物に入った。
受付で、
「二階堂先生、妹さんの進路相談伺いの
そう二階堂先輩に連絡をしてくれた受付のおじさんにお礼をしつつ、わたし達は研究所内に入った。
エレベーターを3階で降り、わたし達は二階堂研究室に続く廊下を歩く。
「イモウトよ、少し緊張しているかい?」
前を向いたまま、
「もちろん、少しはね」
わたしの記憶が正しければ、
コンコンっとドアをノックをした
「二階堂先輩、失礼します」
と、研究室に入っていった。
☆
軽く挨拶をした後に、打ち合わせ用机でわたし達と向かい合った二階堂先輩は、
「本日は妹さんのことで相談があるということだったけれども」
と、
「はい、私の隣に座っているのは、私のイモウトのようなものなのですが。私は末っ子で妹はいないのです」
「ほう」
二階堂先輩に視線で続きを促されるままに、
すなわち、マンションの自室の寝室に
両者を見比べた二階堂先輩は、
「三井ハイケミカルが四葉グループに入る、という近未来か」
とつぶやいた。
「先輩にご指導いいだいて、せっかく研究職も目指せる立場にいたのに、残念ながら力足らずでした」
と、少しわざとらしいかなと思いつつもテヘペロポーズを作って、わたしは話を区切った。
いくつか確認の質問をした後に、先輩は、
「今の話により客観的な
とわたし達を促した。
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