第16話 コンゴ友愛祈念ボノボの森の今
けれども、ボノボ達の姿は、わたしの記憶とは違っていた。
(やっぱ開園したばかりの頃は義手や義足は不十分だったのかぁ)
わたしが通っていた頃は、ボノボの森が開園してから5年ほど経っており、ボノボたちはそうとは気づかないほどによくできた義手・義足を身につけて、のんびりと過ごしていた。
眼前で、片手のボノボが片足のボノボと、ゆっくりと抱き合っている。
記憶の中のボノボ達よりもしょんぼりしている気がするボノボ達を目にして、(やっぱり、わたしは
と、わたしは、少ししんみりとなりつつ実感してしまう。
☆
ボノボの森を出たわたし達は、いったん東都理科大のキャンパスに入ってから、二階堂先輩の研究室がある霊長類研究所を目指す。
らしい制服姿のわたしは、母校のキャンパス内を
(まぁ、こんな小学校みたいな見た目の子が、中学生らしいセーラー服着て大学のキャンパスを歩いていたら、ちょっと気になるはずよね)
脳内記憶では一人前の大学OGであるわたしは、しょうがないわね、と達観しながら、ちょこちょことキャンパスを歩いた。
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