第35話 《彼の地エルメヌーム 佐渡ヶ島南部》
佐渡ヶ島全域を支配している、総質量数十億トンの
第5ミサイル科連隊が投入しうる最大戦力をもって、その
異世界エルメヌームに孤立する第5ミサイル科連隊は、エルメヌームの種々の
無人兵器の制御のコアであるパワー半導体の配線は、電気抵抗が極小の銀でなければならない。佐渡ヶ島の銀山を確保できれば、パワー半導体の生産が再開でき、無人兵器の補充、ひいては、無人兵装体系の維持が可能となる(ミカ校専科の
ナノマシンのオーバーテクノロジーの助けを借りた不可視機雷をドローン等に搭載可能となった現時点で、無人兵器が充分に補充できるようになれば、
☆
火力の使用を最小にしなければならない制約下、第5ミサイル科連隊と
しかし、
作戦の成功まで、あと一歩。
不可視機雷の不可欠なパーツとなったナノマシンは、わたしの身体から提供されている。兵站が心許ない中、
救護テント内で、異世科医の
ここまでくれば、遠からず、
(結局、想像したような戦場にはならなかったわよね)
体内に分散しているオーバーテクノロジーなナノマシンの反則技で、わたしの身体はたとえ腕がちぎれようとまたつなげられるようになっている(腕を取り外すことも可能)。わたしの腕をちぎってつなげてのデモンストレーションは、師団長様と
ただ、痛みに呻く隊員さんが次々と……という事態は起らなかった。無人兵器を活用したヒット・アンド・アウェイを基本とした本作戦では、展開中の隊員さんたちの役割は隠密行動での索敵支援。残念ながら、
いつも通りのセーラー服姿の
そう、既に島には
作戦終了後に、ナノマシンの回収に向かうわたしは、確実に先輩と顔を合わせることになる。
その時、わたしを現地まで送ってくれた
「感動の再開だな」
「あぁ、わざわざキラ☆ホノカンのナース服を来てきたかいもあるというものだ」
「ハダカスキー男爵も嬉しそうだ」
なんてことを、強面を崩さないまま、言うんだ、きっと。
(しかも、なぜだか盛り乳仕様……)
ここ服には、ナース服には不必要なお子様体型のわたしに精密にフィットしている胸パッドがあしらわれている。早春に、先輩にさんざん裸体を凝視されたわたしが、いまさら盛り乳ナース服なんて、いまさらの見栄っ張りなようで、かなり恥ずかしい。普段の巫女服ではお胸のサイズはわかりにくいだろうから、隊員さんたちはこのナース服の方がわたしのサイズと勘違いしてくれているのかもしれないけれども。
まぁ、いいや、その後のキャンプでの打ち上げのことを考え始める。
肉食には興味がない
根がお気楽にできているわたしは、そんなことを考えていた。
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