概要
その探偵事務所は、新宿の雑居ビルの七階に事務所を構えていた。
人探し専門の探偵事務所だった。しかし、事務所の看板は掲げていなかった。
だが、替わりに広告を出していた。
月刊紙のオカルト雑誌の、増刊号の季刊誌に四分の一ページの広告を出していた。
『尋ね「人」探します。 −安楽庵探偵事務所−』
広告には住所しか載せていなかった。電話番号や、メールアドレスもない。当然、ホームページはあるはずもない。公式SNSアカウントすらない。これではそうそう、たどり着けない。
そんな広告で大丈夫か?
大丈夫だ。問題ない。
なぜならその探偵事務所は、異世界に転移した人を探すために作られた探偵事務所だったからだ。
【登場人物】
安楽庵キコ(あんらくあん きこ)
安楽庵探
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!独特のリズムと作風に、オリジナル要素と異世界をモチーフにした物語。
【物語のあらすじ】
新宿のとある雑居ビルにある探偵事務所には三か月に一度しか依頼人が来ない。そこには三つ理由がある。看板はなく、広告は出しているものの三か月に一度しか刊行されていないオカルト雑誌。そしてその内容にも問題があったのである。問題だらけの広告とちょっと変わった尋ね人を探す探偵事務所。
果たしてどんな依頼人がやって来るのだろうか?
【登場人物について】
安楽庵探偵事務所の助手は、お酢が好きなようである。
占い館の館長兼探偵事務所の所長は、絶世の美女ではあるがモテない。その理由は60個あるらしい。その他、異世界へ向かう人物などがいる。
【良い点(箇条書き)】
・一定のパターンのある…続きを読む - ★★★ Excellent!!!独特の言い回しと世界観、キャラの個性が激尖り
ミステリアスな探偵事務所。
そこを目指す一人の男の登場から物語ははじまるのだけど、しょぱなの事務所の紹介の文章からしてリズミカルで、不思議な雰囲気を醸し出しています。
物語は短話的にまとめられており、客が来る、説明する、調査開始、結果のお知らせ、ジャガイモ料理に至るという流れで構成が統一され、一種のテンプレート状態。リピートされるような感覚に支配されつつも、各話違うモチーフが出て来て、パターンに慣れて来る辺りで、アレンジが入って来るので飽きる事はなし。
異世界での人探しシーンはほぼなく、基本的に現代パートのみでの構成です。依頼人の心情を解き明かす事がメインと言う感じですね。〆はジ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!登場人物紹介の時点で、もう面白い。第一話を読んで確信。これ絶対面白い!
作品紹介の欄だけでも読んで欲しいです。そしたらきっと、先を読みたくなるはず!
クセ強めな登場人物たちの遣り取りの面白さはもちろん、
「非常階段へのドアの先」にある不思議な空間や、異世界へ通じる不思議な扉などの描写も美しく、ワクワクさせてくれます。
また、現実世界に残され、藁にもすがる思いで探偵事務所のドアを叩いた依頼者達の抱える事情や心境。そういうものもしっかり描かれていて、よくある異世界ものとは一味も二味も違うかと思います。
文章の独特なリズムも楽しく、あっという間に読めちゃう。どんどん先を読みたくなる中毒性あり。依頼者と転生者、調査の結果は? 登場人物たちの背景はさらに明…続きを読む