手記の断片④

終局にあたって

 君は長い間、俺の役に立ってくれた。

 俺の望みに貢献し続けてくれた。

 

 だが、それでも俺は君を消そうと思う。

 それは、現実が理想へと成り変わるために、必要な事だから。


 君に言うつもりは決してないが、

 俺は君のことが別に嫌いではなかった。

 君と過ごした日々は、正直悪くはなかった。


 ただし全ては、

 優先順位なのだ。


 追い求めるべきは理想。

 そのための犠牲は厭わない。

 もしもその業によって地獄というものに堕ちるならば、


 もとより、覚悟の上である。

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