闇の案内人

古道具屋の跡取り息子・神崎直人と、その中学時代の同級生であり陰陽師の末裔・弓削司による幻想怪異譚。



〈400～800字前後のあらすじ〉
　時は大正。文明開化により様々な道具が発明され、生活が激変する時代。全ての闇を切り開くような瓦斯灯が導入されながらも、本当の闇はまだ祓われていなかった、そんな時代の物語。
　古道具屋の跡取り息子である神崎直人の元には、曰くつきの物が転がり込んでくる。例えば、ある日店の前に置かれていた片割れのいない女雛、手にした者の枕元に夜な夜なすすり泣く女性の現れる懐中時計、壊れていないにも関わらず何故か開くことができない美しい彼岸花の装飾の施された小物入れ……。そうした物に振り回される神崎は、嫌々ながら中学時代の友人であり腐れ縁であり、そして陰陽師の末裔である弓削司…続きを読む