信長とタッグで戦国時代来ちゃったけど、これって天下統一するやつですか?(リメイク前版)

篠崎優

信長様と藤樹と匠海

「は? ふざけんなよ!?」

「そっちが悪いんでしょ!」

俺は今、壮絶な親子喧嘩を繰り広げている途中。

向こうが俺のプリンを食べたのが原因。

本当にバカバカしいと思われると思うが、あれは俺が30分並んで買ってきたプリンなのだ。

それを、俺がいない時に食べられた。


「はぁ、じゃあ、スーパー行くから匠海たくみのプリン買い直してくるわよ。」

母さんが言うが、もうその時は怒って周りが見えてなかった。


「そのことについて謝りもしねぇのかよ!? もういいわ!」

そして、とうとう怒りを抑えきれなくなり、バッグ片手に家から飛び出したのだ。

流れで飛び出して来てしまったことは少し悔やまれるが、


まあ少し頭を冷やしながら散歩でもして帰ったらいいだろう。

それで謝ろう。そう思い、見慣れた近所の道を歩いていく。



さて、どこへ行こうか。流石にこの道をグルグルと回り続けるのは暇だし、

友達の家に行くのは気が引ける。

となると.......


俺は近くの裏山の辺りに行くことにした。

ここらは田舎で人通りや車も少なく、いる人のだいたい30%が50歳以上だろう。

少子高齢化とはこの事だ。と言わんばかりの比率だろう。

だからこそ、少し街に出て買ったプリンを食べられたことに

怒ってしまったのだ.......といかんな。冷静…冷静…。


無駄話になるが、(誰と喋ってんだろ俺)今行こうとしている裏山は

秋で紅葉が生い茂っており、この時期としては、絶好の自然スポットと言えるだろう。




裏山に着き、少しゆっくりしていると自分が持っていたバッグの中に何か入っていた。

(何か持ってきたっけ)と思いつつ、開けてみると.......

俺が好きな歴史の本だった。

そう。あくまでも俺は歴史好きと言っても戦国時代に限るが。

好きな時代が狭いためその分知識が濃厚とも言える。

そこらの中学生には引けを取らないだろうと自負している。


今ハマってるのは織田信長。

尾張という小さな国を天下統一寸前まで押し上げた戦国時代を代表する人とも言えるだろう。

残念なことに1582年に家臣、明智光秀の謀反で

自害してしまったが。研究などでももし、本能寺の変がなかったら

この世界は大きく違っていたとすら言われる大きな事件。

その背景には何があったのか。今はもう分からない。

いつか知りたいなぁ.......。





ということで、リラックスも終わったし、家に帰ろう。(本当に俺は誰に話してんだろ)

いつものようにトコトコ歩き、少しした時のことだった。

クロ服にサングラス。それにマスクの服装の男。

背は.......高い。うちの父親くらいはあるだろう(知らんがな)

取り敢えず不審者確定だな.......。

こんな田舎に珍しい。銀行強盗か?なんて、思った時だった。

(やっべえ!目が合った!)


今、確実に不審者Aと目が合った。

取り敢えずちょっと早めに歩いて様子を見てみることにして、

車の方向確認する鏡で見ると.......

(やば、さっきより近づいている!?)


そう思った瞬間に手と足が動いた。もちろん、考える暇もなく。

時々確認するが、やはりちょっとずつ距離が詰められている。

俺も決して足が早い人間とは言えないため、走り勝負になったら負け勝負になるのは

分かっていたが.......。

(これじゃ、イノシシ相手に逃げてるようなもんじゃねえか!)


【イノシシ相手は走ると向こうの方が早いので負けます。

ゆっくり少しずつ後ろに引いてイノシシの視界から自分が外れたと思ったら逃げましょう。

傘を使うのもいいですね。】


必死に逃げ続け、家の屋根が見えてきた。もう少し.......そう思った時。

背中に鈍痛が走った。

勘のいい皆さんはお気づきであろう。

刺されたのだ。包丁かナイフか何か別の刃物で。

(おい、刃物は聞いてねえぞ.......)

そう思った瞬間に込み上げてくる痛み。

これは転んで擦り傷ができちゃった!程度ではない。生命に関わる怪我なのだ。

身体の危険のアラームが聞こえる。


「がっ.......」


すぐに近くにいたナイスガイのお兄さんが犯人を締め上げていたが、

俺にはもう上の空。

「大丈夫!?」「救急車呼ばねぇと!」「ABC持ってこねぇと.......」

そんな声が聞こえた。

ああ、さようなら。現世。。。

こんにちは、あの世。。。


後、お爺さん。それ多分だけどABCじゃなくて、AEDです.......。。。

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