お家へと
「で、俺は家臣、土地持ちの1人の実質的な大名になったのか.......?」
岡崎城の帰り道。横にはなんと後の徳川家康、竹千代。
「これからもよろしくお願いします!殿!」
傍から見れば着物姿の幼い子供が元気にはしゃいでるだけだが。
その子が家康だというだけで心臓がバクバクしている。
「おー、よかったねぇ!」
うんうんと頷きながら信長はそれっぽく笑ってる……が、
恐らくそんなに状況を分かっていないだろう。
右には(新)織田信長。実質的には戦国時代の親友と言ったところだが。
左には竹千代(徳川家康)。俺の家臣だ。
普通であれば有り得ないシチュエーションだ。
そこで、元々竹千代の元服目的であることを思い出した。
「あ!そういえば、竹千代様の名前もう決めてますから」
「殿、もう、様なんてつけなくて結構です。それで、名前というのは?」
いや、様と付けないとこちらの気が済まない。
「『徳川家康』なんてのはどうですか?」
1600年、関ヶ原の戦いにて、石田三成を破り、日本の天下泰平へと導いた徳川家康。
ここに、爆誕。一々松平家康なんて回りくどく命名する俺ではない。
俺は面倒臭がりなのだ。
「ありがとうございます!徳川家康.......なんか物凄い豪華な名前ですね!
徳に、川に。私なんかが、いいんでしょうか?」
「いいんだよ、あなたはいずれ日ノ本を発展させていくような人材だと思ってますから」
「あぁ、そんなことを言ってくださり、光栄です!この徳川家康!
誠心誠意務めさせていただきます!」
これは.......とてもいい家臣ができたと思う。
ーーーー
匠海邸
「ただいまー」
俺の声に呼応して5人の声が屋敷にこだまする。
「おかえりなさいませ」「おかえりなさいませ」
「お、お、お初にお目にかかります.......」
家康は人見知りなのか、恥ずかしそうに俺の後ろに立っていた。
「殿?このお子は?」
勝家が尋ねてくる。会ったことは無いか。
「徳川家康。松平広忠の
仲良くしてあげてね」
嫡男というのは、まあ長男と同意と考えてもらえば良い。
「よ、よろしくお願いします!」
俺の後ろにいた家康が俺の前に移動し大声で挨拶をする。
やはりこうして見るとただの元気な男の子だ。
一同かなり驚き、勝家に至ってはなんか汗ダラダラになっていた。
「これは……お話はかねがね殿から聞いておりました、こちらこそよろしくお願い致します」
勝家が話す。俺、勝家に家康のこと話したことあったっけ?まあいい。
そして、岡崎城に行くことになるかもしれない件等、色々なことを話していた。
「匠海殿も大出世ですな!おめでとうございます!」
「うん、ありがとう」
その日から大引越しを行い、俺は一城の主となったのであった。
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