本決戦
こちらは敵の本陣。
しかし、ある知らせによって完全に動揺していた。
「織田信秀と、信友!?更にあの信長の軍師まで来たというのか!?
軍師が来たということは、信勝は負けたのか!?」
斯波氏の本陣は、動揺……いや、混乱の渦であった。
匠海が来たということは、信勝が負けたということ。つまり、援軍は望めない。
この時点で斯波氏の兵士とその大将である
ーーーー
こっちは信秀邸。立地はこちらの方がダントツで有利になっている。
しかし、こちらも向こうも銃撃戦なんてしている場合ではない。
当たって砕けろ作戦しかないのだ。
流石に俺もこっちにまで火縄銃用の柵を作る余裕もなく、
俺と信友さんで突撃部隊。
信秀は後ろからの支援に回る。
信長は.......手紙を出させて『即刻来い』と言っているので来るかどうかは分からない。
もしかしたら、俺の城が攻められてるって言う知らせを聞いて、岡崎城にすっ飛んでるんじゃないだろうか。信長のやりそうな事ではある。
そこからはこちらのペースであった。
どんどん敵兵を討ち取ったとの連絡が入り、こちらの兵も死ぬまで行く大怪我をしている人はほとんど居なかった。情報によると、敵兵はかなりの数が戦意を失っている...という事だった。
「こりゃ、初陣と第二陣両方とも大勝利で納められるかな」
そんな事を呟く。作戦……とまで言わないが俺はある事を全兵士に伝えていた。
普通この時代で戦をする時は、足軽VS足軽のような戦いは
1VS1でするのが最も一般的だった。なんで多対一でやる事は少ないのか……
それは殿様から恩賞を貰いたいからだ。
数人で1人を追い込みたくさんの首を取ったからと言って、1人で数人を倒した時の恩賞と比べればちっぽけな物だ。要は、褒美ほしさに命を投げ出してると言っても過言ではない。
そこで、多対一でもちゃんと公平に褒美が渡るシステムにし、主に3VS1くらいを目安に戦っていけ……ということを教えた。これによって、負傷者はともかく死者の数が格段に減ったのだ。
「匠海様!敵の本陣が落ちました!」
そんな中に知らせが届く。どうやら大勝利のようだ。
「うっしゃい!」ガッツポーズをして、指令をだす。
「その大将……えっと、斯波義統か。義統さんは殺さないでちゃんと家に帰してね。
あくまであの人も被害者であることは変わりないんだし」
「はっ!」
やはり一つでも失われる命を減らしたいと思うのは平成の世で生きてたからかな。
無情にただ人を殺すだけでは、ただの独裁国家だ。
俺はそれを幾つもの事例から現代で学んでいる。
「……そういえば、信長。アイツどこいった?」
「……岡崎城らしいです」
勝家が答える。どうやら「即刻こい」は、岡崎城が襲われてるから
はよ来いの意味に捉えられたらしい。今回の戦の失敗点がここにあった。
「……まあいいか」
そう呟き、戦場を後にするのだった。
斯波の戦い
織田信秀・信友・匠海連合軍VS斯波義統軍(後ろ盾として信勝)
信秀2000+匠海1000+信友2000VS5000
信秀軍の勝利。
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