岡崎の戦い 決着

ドーン!という爆発音が聞こえて、相手方の兵士が騒がしくしているのが伺える。

「成功か!?」

相手方の状況を知るために家康くんに馬を走らせて、確認に行ってもらう。

何度見ても馬を走らせるその姿は8才とは到底思えない。

一応、戦国時代の職人に手作りしてもらった特製の火薬だ。

令和のものとは訳が違うが、直撃すれば最悪の場合『死』だ。


そんなものを敵にあびせていいのか。となるが、

「これは、戦だ」戦なのだ。仕方がない。仕方がないんだ。




「戻ってきました!」

家康が相手の状況を確認できたようで馬を走らせもどってくる。

「相手方、織田信勝。火薬弾での致命傷!かなりの重症。回復するかは見たところ五分五分!」

その報告の瞬間、家臣たちは湧き上がった。

回復するかが五分五分ならばもう戦を続けることは無いはず。

「よっしゃ!」

俺の初陣はともかく大勝利に終わった。


ー岡崎の戦いー

上村匠海軍&徳川家康軍&柴田勝家VS織田信勝&林通具&林秀貞


匠海軍

兵力2000

損害.......150

勝因.......尾張の職人手作りの特別製火薬弾にて織田信勝を討ち取る。

更に、攻めてくることを予想し、強固な火縄銃用の柵を設ける。


信勝軍

兵力2500

損害.......200

敗因.......火縄銃用の柵のことを予想せずに無理に攻め入った。

突撃決断を天に任せた。


『匠海軍の天命勝ち』

ーーーー

と、普通はここで終わってさあ宴会でもするかな……って所だが。

俺の読みだと織田信秀邸にが攻め込んでいるハズだ。

「匠海様!」

「.......ああ、行くぞ!」

俺は信秀邸...末森城へと馬を進める。

〜その頃信秀は〜

「あの軍師の言った通りだわい!次から次へと攻めてくる!」

織田信秀居城、末森城。信勝は岡崎城へと攻め、第三勢力が末森城には押し寄せていた。

その第三勢力の名は斯波義統しばよしむね

尾張で立場上は1番上の人物である。

しかし、この当時は名ばかりで実権は完全に無くなっていた。

恐らく、そこにつけ込んだのが織田信勝。

「勝てたら実権を戻させてやる」とでも言ったのだろうか。味方に引き込んだのである。



「斯波氏の大軍!恐らく、全勢力を上げて来ているぞ!」

その数5000。信勝側の誘惑か、必然かこれは織田家と斯波氏の命運を賭けた戦いになった。

対して信秀側も匠海からの情報があったため、何とか兵を用意できたが……

匠海がいなければ瞬殺されていたかもしれない。


「信秀さん!」

「おお!匠海!」

俺が合流する。そこで、俺が呼んだある助っ人を紹介する。

「こちら、清洲織田家きよすおだけの主君。織田信友様です!」

「よろしくお願い申す」

少なくとも信秀よりは立場が上な人物である。

尾張でいうと、多分2番目か3番目くらいの力は持っている。そこに援軍を頼んでいたのだ。


斯波氏しばし、織田信友とは?

簡単に言えば、信秀たちの上司である。

尾張の守護代.......つまり、尾張の一番偉いところの氏族が斯波氏。

ただし、当時は名だけで力を失っていた。


信友は、斯波氏の一つ下の部下で信秀のひとつ上、信長のふたつ上、匠海のみっつ上の上司である。

言わば、中間管理職と言ったところだろうか。

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