織田信秀

「お前に家督を継いでもらいたいと思っている」

後日そう信秀に告げられた時はビックリしたものだ。

家督…継ぐ…ということは

「信長…様が織田家の正式な…?」

「当主だ。」

おお!マジか!こっちとしてもそれは好都合だ……と言っても

何か史実に似たような道を歩んでるからそこまで影響力はなさそうだけど。

「ありがたき光栄」

何かこんな感じかな?的な感じで二人揃って言う。


「道三の娘との婚姻式の時に一緒に家督相続を行おうと思うのだが。」

これには少し予想外だった。結婚式と家督相続を同時ってすごいよな.......

この時代だとよくやるのかな?

残念ながら俺は他の家の風習には全くもって興味無いのでそこはスルーさせて頂く。


「信秀様はご隠居なさるのですか?」

何となく個人的なイメージは家督を継ぐのは死んでからのパターンが多いと勝手に思ってる。

…裏で操るとかしないよな…それこそ鎌倉時代あたりの院政みたいな……


「裏で操ることはしないぞ、全てを信長に委ねる」

心が読まれてるし.......。で、当たり前だが信秀の口から信長に委ねるという言葉が出てきて少し安堵した。信秀が心から信長のことを信頼して認めていることが確認できたからだ。


「こんなにも優秀な軍師がいるのだからなぁハッハッハっ!」

笑いながら告げて部屋の奥に行った。本当に豪快な人だな...どっかのガキ大将みたい。

いや、ガキ大将精神じゃないとこの戦国の世は渡っていけないのかもな。

今回の事例で思ったことがある。


「お前の父親って言ったらいいのか分かんないけど凄いパワフルだな」

「それ、うちの平成の父親とか超頑固でさ。信秀さんとは大違い」

信秀に限らず、少し歳を重ねると戦国武将って皆

パワフルになるか、超陰湿なタイプになるイメージがある。あくまでイメージだが。

例えば、パワフルなのはそれこそ信長とか……偏見だけど武田信玄とか。

陰湿なのがこっちも偏見だけど三好衆とか。

あ、この名前が分からなくてもこの小説読めるから。ウィンドウ閉じないで。


「まあ、取り敢えずおめでとう!」

「おう!」

そこからは二人で話しながら仲良く帰った。

城に帰ったら、道三の娘つまり濃姫。別名は帰蝶と信長が結婚する準備だ。

大忙しになるだろうなぁ.......どうせパシられるんだろうなあ……。

パシられる自分の姿が目に浮かぶ。


「いいよなぁ、お前は」

思わず心の声が漏れてしまった。これはいけない。

「?」の顔で見てくる。

「ハーレムだぞ?ハーレム」

男ならみんな憧れる。

「お前、天涯孤独がいいとか言ってなかったか?」


確かにそんなことは言った……が、それとこれとは違う。

俺はハーレムが羨ましいのであって決して嫁を持つのが羨ましいとは言っていない。

「それとこれとは全然違います」

「え?一緒じゃないの?」

「いいや、全然……」

そんな会話をしながら城へと帰るのであった。

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