面白そうな面倒事

織田信秀邸

彼はうつけと呼ばれる息子とかなり有能なその弟である織田信勝。

家督はうつけに譲るのが普通だが……かなり心底迷っていた。

「信勝……信長...少し揺さぶりをかけてみようか。よし、信長を呼び寄せい!明日は信勝を呼び寄せるのじゃ!」

「はっ、承知致しました。信秀様」

その数刻後に信長にお父さんに呼びよされたという知らせが行くことになる。

ーーーー

「え?織田信秀?」

確か、信長に次ぐ織田家の優秀枠。

信長の父親はそれはそれはすごい武将だ。織田家を大きくしたのは信秀と言われてるくらいだ。

「分かった、織田信秀様が信長を呼び寄せたのね。俺も着いていくことにするよ」

信長の提案に快く乗ってあげる俺が何か企んでるように見えたらしい。

「いや、何でそんな快く乗ってくれるの?」

「え、お前一人じゃ絶対失言するから」

まあこれ迄の信長を見てたらどっかで失言するのは目に見えてる。

この世界が史実通りに行くのか、行かない世界なのか判別するのはまだ早い。万が一にでも信長が家督を継がなかった場合の世界線が面白くない。


あ、念の為家督について解説しておくと、まあもし信長が家督を継ぐというのは

信秀の後の一家の代表は信長になる……ということだ。

まあそんな所で俺は信秀が住んでいた末森城という城に向かう。

そこでは信秀の家臣が物凄く良い待遇で迎えてくれた。


妙に対応いいな?超上級の客が来た時の営業マンか?

……いや、違うな。俺たちは試されてるのか。家督を継ぐのにふさわしいのか。

信勝という名の品行方正の完璧弟か、うつけと呼ばれ虐げられる兄か。

家督の継ぐ権利は上の兄弟である程継ぐことができるという決まりがある。


まあ要は伝統を優先するか、実力を優先するかってところか。

ーーーー

「ご無沙汰しております、お父上」

「うむ、信長。楽にせい」

その瞬間に正座が苦手な信長が一気に足を崩す。

いや、もうちょい段階ってもんがあるだろ……。

「まあ良い。で?そなたは何者だ?」

「はっ……私織田信長様重臣上村匠海でございます」

「重臣!?こんなに若いのを信長は重臣に入れているのか?」

甚だ疑問というように信秀が問いかけそれに信長が答える。


まあとにかく、俺は悪い意味で注目されちまったかもな。

こんな若い男が重臣だなんて……!という驚きで。これが吉と出るか凶と出るかは信秀が寛大であることを祈るばかり。

そんなやり取りが数十分続いて、俺は解放されてさっさと帰らせられた。

恐らく、次は信勝がここに来て同じような会話をするのだろうな。

まあ信秀がどう判断したかは、信秀の性格を祈る。

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