大晦日


12月31日

いつものような月替わりの日ではない。

年が変わる。

で、確か再来年には信長は帰蝶と結婚。羨ましい限りではある。


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晩御飯の時間が来た。.......だが、驚くべきことがひとつ。

「えっ、豪華すぎね!?」

おせち料理の一部と見られるものや魚、肉とこれでも小国大名か

と思うような品々が並んでいた。

どれも美味しそうだ。

家康とかどんな食事してたんだよ。想像が出来無い。

どうやら鯛の天ぷらの食中毒で死んだというのは聞いたことあるが……。


それを取り囲んで談笑をしながら食べる。

信長も美味しそうに食べているようだ。

よく見ると、家臣の会話を聞いていたら、知ってる名前が大多数を占めていたが、いくつか少し知らない名前もあった。

全部の人物を網羅してるとは言わないが、多少は世界線みたいなのが歪んでるのかもしれない。

俺の常識が通用しないことも考えておかないとな。

「そう言えば匠海殿。」

隣の人が話しかけてくる。名前は全くもってわからん。

「来年には上様もご結婚ですな」

唐突に話が始まる……いや、信長の結婚って再来年じゃね?


「あれ、ご結婚は再来年でしたような…」

「少し早まったんだそうな。斎藤家との同盟が早くに纏まったらしいです」

信長の結婚相手は濃姫のうひめ。別名は帰蝶きちょう

美濃という隣の国の斎藤道三さいとうどうさんという人の娘だ。

うん、まだ情勢なんかもよく把握してないから、全く持って話に合わせれる気がない。

史実とは違う道を通っているなら尚更。


「そうだったんですか」

…つまり信長はハーレム生活を1年繰り下がりで送ることになる!?

でも、13歳って論理的にいいのか?

あ、史実通りに行ったとしても14歳…


まぁ、この時代ではそれが普通なんだし

郷に入れば郷に従えなんて言葉もあるし…


「匠海殿?」

「ああ、すいません、いやお気になさらず」

信長のハーレムを想像させられてとても羨ま……いや、国交が上手くいっていて良いと思った。

俺としては美味しいご飯を食べれて幸せな一日だった。

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1548年1月1日午前3時(推定)

「年は明けた…」

何とか毎年恒例の日付が変わる瞬間にジャンプイベントは達成したが

逆に何も無いと眠気がすごい……

初日の出を見たい…

でも、暇すぎて眠い…

が無限ループされそうだ。

テレビでもあれば眠気が覚めるんだが.......


眠〇打〇とかないかなぁ.......もしかしたら、調合とか覚えてたら作れる可能性があるんだけどな

社員じゃあるまいし。

ん?なんか少し明るくなってきたぞ.......!

おお!日の出だ!戦国の世に来て、心が落ち着いてなかったのかもしれない。

久しぶりにじっくり空を見て、心が何かに満たされるように感じた。

この時代はお天道様はパワーを与えられるみたいな迷信が信じられていたしな。

もしかしたら、本当にそんな効果があるのかも。


「はぁ、日の出よかったなぁ」

そんなことをいいながら、寝床につく。

この世界に来て初めての正月。どうなるかな。

俺の正月はまだまだ続く。

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