第20話 震撼
7月1日
サッポロ・トウキョウ地区を皮切りにPHSサービス営業開始。
7月2日
ノモ・ビデオ日本人として初めてメジャーリーグ・オールスターゲームの出場選手として選ばれる。
7月5日
テニスのウィンブルドン選手権大会で、マツオカ・シュウゾウが日本人男子選手として「62年ぶり」のベスト8進出。準々決勝でピート・サンプラスにセットカウント 1-3 で敗退。
7月7日
大正7年生まれの人はこの年(平成7年)で77歳になるため、さらにこの日が誕生日であれば多数の7が並ぶ特別な日となった。
1995年7月15日
ワジマ・ランが放課後のパソコン教室にいるカズマのもとに依頼に訪れる。彼女は臨時教師、生活がカツカツで、リュウガサキ氏の屋敷で一人娘、ルミの音楽の家庭教師をしている。ルミはヘソ出しルックだった。アムラーはトウホクにも浸透していた。
主人のリュウガサキ・レイジは申し分ない紳士だ。ランは毎週土曜日、故郷のモリオカへ帰り、翌月曜日には屋敷へ戻ってくる。
その間寂しい一本道を車に乗るのだが、その度に後ろを黒い車がつけてきているのに気づき、不安だというのだ。
「防弾チョッキでも買おうかしら?どこで売ってるか分かる?カズマ君」
「さあ?」
ランにはすでに婚約者がいるのだが、リュウガサキ氏から求婚され、断ったことでバイトに行きづらくなり、次の土曜日で家庭教師のバイトを辞するという。
「僕と一緒に探偵の仕事しませんか?」
彼女と愛しながら、推理するのも悪くない。将来はラブホテルを事務所にしようかな?
「『探偵物語』は面白いよね?まさかクドウちゃんが最後に死んじゃうなんてね?」
その土曜日、よからぬ陰謀の気配を感じたカズマとミツヤはランの元を訪れるが、彼女は何者かに連れ去られてしまった後だった。
ランは祈祷師の女、スギサワ村のロクドウ・ヤスコ宅にて「キツネが憑いている」などとお告げを受けた。
さらにランは『悪魔払い』や『御用』と称して太鼓のばちで殴られた。ヤスコには2人の仲間がいた。
3人はランを殴る、蹴るなどの暴行を加え、殺害した。
7月20日、ミコガミたちがロクドウ宅を家宅捜査したところ、ランの腐乱遺体を発見した。
極度の過労で倒れたミツヤはリュウジとともに病院に療養に向かう。
療養中、病院で、ミツヤは近くの有力者であるユヅキ・ヨウヘイ老人の家に泥棒が押し入ったという話を聞く。ミツヤはこの事件に興味を示すが、リュウジに療養に来ているのだからとたしなめられる。
点滴のポタポタという音をミツヤは聞いていた。
ところが翌朝、高校教師のマエジマ・ミツルの家で殺人事件が発生したというニュースを見る。
殺されたのはロクドウ・ヤスコで、心臓を撃ち抜かれていたということだった。ヤスコは何も言わずに息を引き取ったが、手に手紙の切れ端と思われる紙片を握りしめていた。マエジマ・ミツルとロクドウ・ヤスコは土地の所有権について係争中だったが、犯人はこの両家に押し入った強盗犯だろうと考えられていた。
実際、ミツルが屋敷から逃げる犯人を見たと証言していた。
リュウジはヤスコが持っていた紙片を調べ、マエジマ家へ向かう。屋敷の中を一通り見たあと、リュウジはミツルの部屋に案内されるが、そこで果物を盛っていたテーブルをひっくり返してしまう。テーブルを片づけている間に、リュウジの姿は消えてしまった。ミツルと娘、ムツキが探しに行ったが、突然「助けてくれ!」とリュウジの叫び声が聞こえてきた。
フジタ係長とオオワダ部長刑事が駆けつけると、ミツルがリュウジを締め上げているのだった。リュウジは庭で全裸でブルドックに餌を与えていたそうだ。
私立学園『ホウオウ高等学校』に勤めるマエジマ・ミツルはある日校長に呼び出され「そろそろ異動を」と薦められていた。
しかしミツルは「教え子たちが卒業するのを見届けたい」とつっぱねる。
「いや、でもね?ハチスカ先生が戻ってくるんです」
ハチスカ・ミホは前任者で産休をとっていた。
マエジマのクラスにはミステリー小説好きなカズマ、マックでバイトしてる働きなが通うメイ、高1のとき不登校になったモモカ、不良のハルマなどがいた。ハルマは競馬好きで、教科書は忘れても競馬新聞は忘れない。
夏休み、補講でやって来たメイたちをマエジマは熱心に教えた。マエジマはどんな教科でもドンと来い!だった。
ムツキの死体はモーニングルームという、庭に出られる部屋で発見された。第一発見者は父親のマエジマ・ミツルだった。
事件のあった晩、(ムツキが死亡する22時の1時間前)隣人のユヅキ・ヨウヘイが尋ねてきた。『泥棒がつかまる間、匿ってもらえないか?』ユヅキがモーニングルームに入り、ミツルにお茶を持ってくるように頼む。その間にムツキが帰ってきたのだが、お茶を持ってきたミツルが、部屋には鍵がかけられ、ユヅキとムツキが激しく口論しているのを聞く。
ミツルは慌てて外に飛び出た。まだ激しい口論は続いていた。突然、恐ろしい男の叫び声とガシャンという音、そして女の悲鳴が聞こえたので、ミツルは外から部屋に入り、ムツキが頭から血を流して死んでいてその横でユヅキが気を失って倒れていたのが発見される。
ミコガミたちはユヅキを第一容疑者として捜査を開始するが、ミツルは口論中にユヅキが「クロサキ!」と叫ぶのを聞いており、『クロサキ』なる男が事件にかかわっているのではないかという可能性も浮上していた。そういった疑問を含めてカズマが調査したところ、ユヅキが事件の起こった夜、ある背の曲がった男と公園で会っていたという事実を、偶然ウォーキングしていたワタリから聞き出す。
リュウジは仲良くなったハマムラ・リオやツチヤ・アズサと海水浴に出かけた。浜辺でスイカ割りしたり、カニをつかまえまりして遊んだ。
「年上のオネェさんはどうですか?」
アズサがシャワーを浴びてる間、リオに口説かれた。小麦色に焼けた肌にサンオイルを塗ってやっていた。
「こんな僕でいいんですか?」
海岸沿いにあるホテルでリオに気持ちよくさせてもらっていた。まだ、トランクスをはいたままだが、アソコをまさぐられていた。まだ新しいので汚したくないから、脱いだ。生まれたままの姿になったとき、リュウジはユヅキ・ヨウヘイの正体に気づいた。
彼は都庁を爆破させたテロリストだ。
ユヅキは都庁の職員だったが、仕事の出来が悪いので解雇されていた。しかし、ユヅキは老人ではあるが、背は曲がってはいない。
つまり、ムツキを殺したのは彼ではないということだ。
リュウジはリオの軽自動車の助手席に座ってラジオを聞いていた。つい最近、発売された、スピッツの『涙がキラリ☆』が流れてる。《同じ涙がキラリ〜俺が天使だったなら♪》
テッポウタウンにある『ブレッド』ってビルのオフィスで従姉妹のハセガワ・アンナと再会したリュウジだったが、2人は口論を交わしてしまう。
「相変わらずチビだな?」
「リュウジって口が悪いね?頭も悪いけど」
「ナニ〜!?」
突如そのパーティー会場のビルに、ユヅキとその部下たちが、重武装で乱入してくる。パーティーの出席者全員が彼らの人質になるが、1人でアンナの事務室にいたリュウジは発見されることなく脱出し難を逃れる。彼らの目的は、厳重なセキュリティーにより保管されている『1億の無記名債券』だった。
リュウジはユヅキらが占拠するフロアから脱出し、火災報知機を作動させるが、ユヅキ一味が報知器の誤作動だと通報したことによって、いったん出動した消防隊は引き返してしまう。次にリュウジは一味の一人から奪った無線でセンダイ署に通報する。
しかし、センダイ署のミコガミ刑事課長はリュウジが有線(電話)ではなくわざわざ無線を使って通報してきたことで、半分イタズラだと疑って取り合わない。
しかし無線発信源が報知機の誤作動を起こした『ブレッド』だったことから、一応直近のパトロール警官に見回りを指令する。
そこでリュウジは、確認のために『ブレッド』を訪れたオオワダ部長刑事のパトカーへ、倒した一味の死体を落として異常事態を知らせる。
「気づけよ?鬼瓦」
一味からの銃撃も受けたオオワダは、市警本部に応援を要請する。
リュウジを脅威とみなした真犯人のクロサキは部下を動員して彼を探させるが、リュウジはゲリラ戦術でクロサキの部下たちを一人ずつ制圧していく。重大テロ事件と判断したミヤギ県警は、SATを派遣するが突入作戦は失敗する。
クロサキはミヤギ県警に脱出用のヘリコプターを要求するが、彼には大きな目論見があった。
リュウジと交戦状態になったクロサキは、リュウジが全裸である事を利用して、ガラスを乱射して股間を負傷させ、起爆装置を取り返す。
ミコガミ刑事課長はテロリスト対策のため付近一帯を停電にするが、それによりセキュリティーシステムの最終ロックが外れ、テロリスト達は金庫を開けることに成功してしまう。そのクロサキは、アンナ宅に突撃取材をしたフクザワ・アキラのテレビ報道により、リュウジとアンナが幼馴染であることに気付き、リュウジに投降を求める。
リュウジは敵対員を次々に倒したことで股間の傷を数分で回復させた。
実働部隊のユヅキを、格闘戦の末にチェーンで首吊り状態にして倒したリュウジは、彼らの狙いが、呼び寄せた逃走用ヘリコプターごと人質もろともビルを爆破して、混乱に乗じて逃走を試みようとしている事に気付き、屋上に急行して阻止する。
人質となっていたアンナを助けるため、クロサキらを追い詰めたリュウジは、背中にガムテープで結びつけた拳銃により、受付係に扮していたハチスカ・ミホを射殺するが、クロサキは即死に至らずアンナと共にビルの窓で宙吊りとなる。
全裸のリュウジはクロサキの正体がリュウガサキであることに気づいた。
アンナを助け上げようとするリュウジを道連れにしようとするリュウガサキだが、最期はリュウジが巻き起こした竜巻により、ビルから落下して死亡する。
その後、ビルから出たリュウジ達の前に、死亡したと思われたユヅキが、アサルトライフルを手にとって現れる。それを銃弾により止めたのは、リュウジを愛するリオだった。「よかった、死ななくて❤」
リオは投げキッスをした。
7月27日
キュウシュウ自動車道が全線開通し、アオモリ- カゴシマ・ミヤザキ間が高速道路によって結ばれる。
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