第7話 桜吹雪の下で

 2009・4・7

ミヤギ警察本部とセンダイ警察署は、2008年5月のセンダイ女子高生殺害事件で、窃盗罪で服役中の受刑囚を本件犯行の容疑で再逮捕した。

 

 4・10

 天皇・皇后夫妻が金婚式を迎え、宮中で祝賀行事等挙行。

 サイタマ県クキ市に引っ越したリュウジのアパートを、医師で弟のミツヤが訪ねた。

 リュウジはバーコード頭の初老の男性、ラン・リョウタから相談を受けていた。ランは派遣会社のコーディネーターだ。

 とても奇妙な体験をしたというランから、リュウジとミツヤは詳しい事情を聞く。


 ランのオフィスは調整池のすぐ近くにある。ランはレイモンド・ロッカクというハーフの男性を雇っている。レイモンドは「通常の半額の給料で構わない」と言ってランのオフィスに採用された派遣社員で、気が利いてよく働き、優秀だが、ひとつ欠点がある。彼は写真が趣味で、撮影した写真を現像するために暗室代わりにしているオフィスの地下室へ頻繁に潜り込むのだという。

 8週間前、そのレイモンドがランに新聞広告を見せた。その内容は、「バーコード組合」に欠員が出たので組合員を1名募集するというものであった。「バーコード組合」は、億万長者だったバーコード頭の男が自分の遺産を同じくバーコード頭の人々に分け与えるために創立した団体で、組合員は簡単な仕事をするだけで高額の給料が得られ、サイタマに住む健康なバーコード頭の成人男性であれば誰でも応募できるらしい。

 レイモンドから応募を勧められたランは、指定された日時にレイモンドに案内されて「バーコード組合」の事務所を訪れた。

 そこには審査を受けるために大勢のバーコードの男たちが集まっていたが、彼らはことごとく審査で不合格にされていた。ところが、審査を行っていたバーコード頭の小男、ワダ・イサムはランをひと目で気に入り、新たな組合員として認めたのである。


 4・11

 ミヤギ県警のカズマところに、古い友人ロッカク・ハツネから、夫ロッカク・ニンタロウをセンダイ市郊外にある防空壕から連れ出してほしいと助けがあり、カズマは、部下のホウジョウ・ヘイスケと防空壕へ向かう。防空壕の中でカズマとホウジョウは事件が起こっているのを知る。


 防空壕の奥には唇のねじれた身体障害を患っていると思われる男がいた。

 カズマが名前を尋ねると、トザワ・チヅオと名乗った。

 地面には血痕がありトザワはその場で逮捕されたが、ニンタロウの遺体は発見されず、所在も不明のままだった。カズマは全裸になると既に亡くなっていると推理したが、ハツネは夫が生きていると主張した。

 

 4・21

 最高裁判所、1998年7月25日にワカヤマ市で発生したワカヤマ毒物カレー事件上告審で被告人の上告を棄却、死刑が確定。


 カズマは、センダイ市のボス、リクゼン・ヌマオ市長を、街路工事をめぐる100万円の収賄容疑で逮捕。

 逮捕の直前、ヌマオはソファでデリヘル嬢の乳房を愛撫していた。


 財務省貿易統計速報で、2008年度貿易収支が7253億円の赤字となり、第2次石油危機直後の1980年度以来28年ぶりに赤字になったことが判明。輸出額も71兆1435億円と、前年度比16.4%減少し、過去最大の減少幅を記録。国際通貨基金(IMF)、実質経済成長率(実質GDP)を日本はマイナス6.2%とする今年の経済見通しを発表。


 4・23

 1994年4月23日にマツシマで発生したバラバラ殺人事件がこの日午前零時を以て公訴時効。


 カズマはセンダイ市内で起きた虐待死事件で女児母親と同居男性、および男性知人の3人を、リフにある墓地に女児の遺体を遺棄した容疑で逮捕。

 アイドルのKが公然わいせつ罪で逮捕される。

「俺たちの仲間になればいいのに?」

 リュウジは素っ裸でテレビを見ながら言った。


 桜吹雪の下でリュウジは全裸で立っていた。ロッカク・ニンタロウを殺したときにパイロキネシスを覚えた。

 尚、レイモンドはニンタロウとは血はつながっていない。

 大金を積んで保釈された、リクゼン・ヌマオが目の前に立っている。

「おまえみたいのがいるから日本はいつまで経っても三流なんだ」

 崖の上にバーコード頭の群衆がいた。ラン・リョウタ、それからワダ・オサムの姿もあった。

「リクゼンの手下?」

 ワダやランはアサルトライフルで武装していた。アサルトライフルが火を吹いた。リュウジは弾丸をもろに浴びたがビクともしていない。

「バケモノっ!死ねよ!」

 弾切れになってしまい、ワダはブルブル震えてる。リュウジはパイロキネシスで秒殺した。傷を負えば負うほど強力になる。

「悪かった!今までのことは謝る!アンタの力になるよ!」

 ランは土下座して泣いている。 

「己、裏切りやがって!」

 リクゼンは日本刀でランの生首を斬り落とした。

 アサルトライフルを選んだワダたちの方がよほど賢い。リクゼンは接近しないとリュウジを殺すことが出来なかった。

 パイロキネシスでリクゼンを黒焦げにしたリュウジは瞬間移動を覚えた。

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